
10日(現地時間)、コインテレグラフによると、ゼロ知識証明(ZK)技術専門企業スタークウェア(StarkWare)が、モバイル端末で使用可能なビットコイン軽量検証方式を開発したと発表した。この技術により、ブロックチェーン全体のデータをダウンロードせずにビットコイン決済を検証できる。
スタークウェアが開発した証明には、ジェネシスブロックから現在までの全ビットコインブロックヘッダーが含まれているが、680GBを超える全ブロックチェーン記録は含まれていない。ブロックヘッダーにはバージョン番号、前ブロック参照、タイムスタンプ、ブロックサイズ、採掘者が見つけるべきナンセンス値などが記録される。
スタークウェアのエコシステム責任者であるアブデルハミド・バクタ(Abdelhamid Bakhta)氏はコインテレグラフとのインタビューで、今回のBTC台帳証明のサイズがわずか1MBであり、ユーザーが100ミリ秒以内に取引を検証できると説明した。
この軽量クライアントは、サトシ・ナカモトが白書で提案した簡易支払い検証(SPV)の概念を拡張したものである。SPVは、全台帳をダウンロードせずに小規模ノードが決済を検証できる方法を提供する。
今回の発表は、フルノードを直接インストールしなくても誰でもビットコイン決済を検証できる点で意義が大きい。フルノードの構築には約300~1,000ドルの費用がかかり、技術的にも複雑なため一般ユーザーには障壁となり得るからだ。
ビットコインコミュニティでは、ノード保存要件と台帳サイズを巡る議論が絶えず提起されてきた。他のブロックチェーンネットワークとは異なり、ビットコインは2009年以降680GBのデータしか生成されておらず、比較的軽量に運用可能で、一般的な個人用コンピュータでもノード運営が可能である。これは分散性と合意形成メカニズムの維持にとって核心的な要素と評価されている。
しかし、台帳サイズが拡大し続けるとノード運営コストが上昇し、大規模サービスプロバイダーのみが対応可能な構造へ変化することでネットワークが中央集権化する懸念も指摘されている。特にインスクリプション(inscriptions)やオーディナルズ(Ordinals)といった非通貨データ保存方式がブロックチェーン容量を不必要に増加させ、こうしたリスクを拡大させているとの批判が提起されてきた。