米国のドナルド・トランプ大統領が、ベネズエラ国内で活動する麻薬カルテルに対する軍事攻撃の可能性を示唆したことで、同国のステーブルコイン依存がさらに深刻化するとの懸念が浮上している。
米国防総省は最近、ベネズエラ近海のカリブ海に最新鋭空母を配備。
これに対し、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は「根拠のない主張だ」と否定し、「戦争を始めないでほしい」と訴えた。
こうした緊張の高まりは、すでにハイパーインフレと国際制裁に苦しむベネズエラ国民の金融不安をさらに増幅させる恐れがある。現地ではテザー(USDT)などドル連動型ステーブルコインが日常的な決済手段として定着し、数百%に達するインフレの中で国民は資産価値を守る手段として活用している。
市民の間では「バイナンス・ドル(Binance dollars)」と呼ばれるステーブルコインが、ドルの流動性が乏しい状況でも取引や貯蓄の主要手段として使われている。
また、ベネズエラ政府もロシアなど友好国との原油取引でステーブルコインを使用しており、今週初めにはロシアとの戦略的協力関係を公式化。こうした動きを一層強化する姿勢を見せている。

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