最近の市場調整局面においても、ビットコインはイーサリアムを含む主要アルトコインセクターと比べ、相対的に良好なパフォーマンスを維持しているとの分析が示された。市場では、投資資金が依然としてビットコインに集まる「資本選好」の動きが続いているという。
16日(現地時間)コインテレグラフは、ビットコインが下落基調にあるにもかかわらず、ここ数カ月間で多くの暗号資産セクターを上回る成績を残していると報じた。オンチェーン分析プラットフォームのグラスノード(Glassnode)は15日付のレポートで、「過去3カ月間、ほぼすべての暗号資産セクターの平均リターンがビットコインを下回った」と明らかにしている。
グラスノードは、こうした持続的な相対的弱さについて、「資本がビットコインに集中する市場環境を示している」と指摘。現在の市場では、投資資金の流れが引き続きビットコインを中心に展開していることを示唆していると述べた。
この見解は、機関投資家向けリポートプラットフォーム「Bitcoin Vector」の分析に対する反応として示されたものだ。Bitcoin Vectorは、「今年上半期はビットコイン主導で市場が推移したものの、下半期に入ってその構図が崩れた」と評価。ビットコイン・ドミナンスが低下し、イーサリアム(ETH)への資金循環が見られたものの、その後もビットコインが完全に主導権を取り戻すには至っていないと分析していた。
さらに同プラットフォームは、デレバレッジ局面後に一時的な回復の兆しが見られたものの、年末にかけて再び勢いを失ったと指摘。これは、ビットコインのリーダーシップに対する市場の確信が弱まり、投資家が依然として明確な指標を見いだせていないことを示していると付け加えた。
しかし、グラスノードの最新データは、こうした見方とはやや異なる結果を示している。ビットコイン(BTC)は直近3カ月で約26%下落し、16日時点で8万6000ドル前後で取引されたが、同期間に暗号資産全体の時価総額が約27.5%減少したことと比べると、相対的に堅調な推移と言える。
一方、イーサリアムは9月中旬以降に約36%下落し、3000ドルを割り込んだ。
こうした動きについて、LVRGリサーチ(LVRG Research)のニック・ラック(Nick Ruck)ディレクターはコインテレグラフの取材に対し、「直近3カ月のデータは、資本流入が依然としてビットコインを選好していることを示している」と指摘。これは、ビットコインの相対的な安定性を重視する投資家心理を反映したものだと評価した。
さらに同氏は、「この資本集中は、現在の市場環境におけるビットコインの支配的地位を改めて浮き彫りにする一方で、アルトコインは存在感を維持するのに苦戦している」と述べ、「確立された信頼性と拡大する機関投資家の関心が、変動の激しい暗号資産市場においてビットコインをより安全な避難先として位置づけている」と付け加えた。

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