最近の暗号資産市場で、リップル(XRP)の値動きが注目を集めている。表面的には下落基調に縛られ、停滞感のある展開が続いているものの、水面下では過去最大級とも言われる資金流入が確認されており、大規模な価格急騰を示唆するシグナルが相次いで浮上しているためだ。
22日(現地時間)、業界関係者や海外メディアによると、リップルは直近1週間で4%以上下落し、投資家心理を冷やしている。ただし、ベテランアナリストの見解は必ずしも悲観的ではない。今回の下落は本格的な下降トレンドの始まりではなく、次の上昇に向けた「調整局面」に過ぎないという見方が優勢だ。
著名な暗号資産アナリストのキルティバサンは、トレーディングビュー上の分析で「現在の調整はすでに終盤に近づいている」と指摘。リップルは本格的な上昇ラリーを前に、市場の流動性を確保し、短期筋を振り落とすいわゆる「流動性狩り(Liquidity Hunting)」の段階にあると分析する。この過程を経て第1のレジスタンスである4.22ドルを突破すれば、新年には「5ドル時代」が到来する可能性があるという。
こうした強気見通しの最大の根拠とされているのが、現物ETF(上場投資信託)への期待だ。リップルETF承認観測を背景に、機関投資家の資金が“ブラックホール”のように吸い込まれている。実際、先月18日には単日で3,000万ドルが流入し、累計流入額は11億8,000万ドルを超えた。
この動きは、過去にビットコインやイーサリアムがETF承認前後で史上最高値を更新した際の「成功体験」が、リップルにも当てはまるのではないかという期待を強めている。価格が一時1.77ドルまで下落した局面で強い押し目買いが入り、防衛に成功したことも、機関投資家による仕込みのサインと受け止められている。
もっとも、楽観一色というわけではない。データ分析プラットフォームのCoinCodexは、リップルの上昇ペースが市場の期待よりも大幅に遅れる可能性があると警告。同社は、リップルが2.40~6.11ドルの安定的なレンジを形成するのは2029年になると予測しており、5ドル到達は数年先になるとの慎重な見方を示している。
短期的な焦点は、「2ドルライン」を回復・維持できるかどうかだ。現在の反発が、下落相場における一時的な戻りである「デッドキャットバウンス」に終わるのか、それともトレンド転換の起点となるのかは、この価格帯での定着がカギを握る。
結局のところ、リップルの将来を左右するのは個人投資家の熱狂ではなく、マクロ経済環境とETFを通じた機関投資家資金の持続性だ。今回の調整が大相場への助走となるのか、それとも長い冬の延長に過ぎないのか──世界中の投資家が、リップルのチャートに熱い視線を注いでいる。

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