クリプトドットコム、米国でスポーツ予測市場のマーケットメイク担当クオンツトレーダーを採用

スポーツイベントを対象とした予測市場の取引規模が急拡大する中、仮想通貨取引所クリプトドットコムが、価格算定および流動性供給体制の強化に向け、米国でクオンツトレーダーの採用に乗り出した。

23日(現地時間)、ザ・ブロックは、クリプトドットコム(Crypto.com)がスポーツイベント予測市場におけるマーケットメイキングを担当するクオンツトレーダーを募集していると報じた。
対象となるのは、スポーツの試合結果に連動した「はい/いいえ(yes-or-no)」形式の契約で、価格の算定や市場への流動性供給を担うポジションだ。

求人情報によると、米国勤務を前提とした年俸の下限は12万ドル(約1870万円)。採用された人材は、市場に継続的に気配値を提示しながらリスク管理を行い、試合の進行や新たな情報の発生に応じてリアルタイムで価格を調整する役割を担う。

今回の採用は、クリプトドットコムが予測市場分野での存在感を高める動きの一環とみられる。最近では、スポーツアパレル大手ファナティクス(Fanatics)が、同社の米国規制下デリバティブ基盤を活用し、ファン参加型の予測市場サービスを開始した。これに先立ち、クリプトドットコムはトゥルース・ソーシャル(Truth Social)やマイプライズ(MyPrize)などとも同様の提携を進めてきた。

これらのサービスは、ポリマーケット(Polymarket)やカルシ(Kalshi)と競合する構図にあり、The Blockのデータによれば、主要予測市場プラットフォームの月間取引規模はすでに数十億ドルに達している。最近では、コインベース(Coinbase)が予測市場スタートアップのザ・クリアリング・カンパニー(The Clearing Company)を買収することで合意するなど、暗号資産取引所がイベントベース取引における価格形成や流動性、流通チャネルを自ら確保しようとする動きが加速している。
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