「女性向けの性風俗」については、1990年代後半にはすでに当時の雑誌の特集にも取り上げられている。「出張ホスト」とは別に「出張型マッサージ系サービス 」などが都内に5~6店あったという。当時の記事によると、女性を対象にした性サービスの提供が、いずれ話題を呼び、大きなビジネスチャンスになるだろうとも指摘されていた。
それから15年以上たち、当時に比べてインターネットが広く普及している。「女性向け風俗」と検索すると、数多く該当するウェブサイトが出てくる。トータル案内版サイトなどもあるが、個人経営なども含めて、その数は20店にも満たない。店数が増えているとはいっても、男性向けと比べると、その数はまだまだわずかだろう。
サイトを閲覧していくと、主流は出張型のマッサージ系サービス のようだ。サービスする側は男性だけではなく、女性を指名できる店もある。また、全国に派遣可能としている店もある。基本は、まず待ち合わせに始まり、ホテルなどで会話をして打ち解け合い、シャワーを浴びる。そして通常のマッサージから次第にお目当てのマッサージ へと移行する。
今回、マッサージ系サービス を利用する3人の女性から話を聞くことができた。1人目は都内在住、デザイン会社勤務の石川陽菜さん(28歳、仮名)。まだ若くて、タレントの吉木りさ似の美人だ。聞くと、結婚10年目の既婚者だという。夫とは5年前から没交渉だったが、若いから、まだ大丈夫と思っていたという。しかし、2年前に子どもをつくろうとした際、うまくいかなかったことが引き金となった。やけ気味に、ついネット予約したのは、3時間3万5000円のコースだった。最初こそ躊躇したものの、ちゃっかり本番のサービスも利用した。
「今では月に1回くらいのペースで、コースもフルタイムですね(5時間5万5000円)。素人と違って慣れているし、一緒にいる時間のドキドキ感がいい。利用する時には仕事で遅くなると夫には言います。
あまりにも美人なので、「風俗に行かなくても、男に困らないのではないか」と質問すると、彼女は「じつは何人かとは試しました。だけど、男を立ててあげなければいけないし、相手が本気になってしまい遊びにならないので、素人は面倒です」と笑顔で答える。
普段なら「なんて高飛車な女だ」と罵りたくなるところだが、彼女の容姿であれば相手が本気になるのは仕方がないと思う。既婚である以上、面倒はご免だというのもわかる。夫と別れるつもりはないとも断言しており、「それで風俗か」と妙に納得してしまった。彼女は以前から、ネットの「性の悩み相談」に関するコミュニティサイトで女性向け風俗の存在を知っていた。そして悶々としていた時、「女性向け風俗」と、呪文のようにキーボードに打ち込んでいたという。
いくつかの店を取材したが、回答は異口同音に「利用客は7割が既婚者。地味めで、特に40代が多く、夫との没交渉に悩んでいる人か、夜の夫婦生活の内容に満足していない人が多い」という。7~9月に放送されたドラマ『昼顔』(フジテレビ系)が大ヒットし、不倫の世界が話題になったが、現実はドラマで描かれているよりも、もう少し上の世代のほうが切実な悩みを持って訪れるようだ。●性の喜びを知り、生活が変化
2人目には、そんな人を探した。
「今年6月に初めて利用しました。最初に考えたのは、そこは本番ができるかどうか、ということでした」
そう語るのは山本美智子さん(44歳、仮名)。結婚16年目で40歳の年下夫と、14歳の娘がいる。夫婦共働きで、美智子さんは雑貨店を経営し、年収は500万円。夫は建設業で年収400万円だという。風俗利用は、やはり没交渉が要因となっていた。
「ある日、体が急にうずき始めたのです。知人から、それは更年期のサインだと言われました。婦人科でも同じようなことを言われ、私が感じる欲求は、今日はMAXでも明日以降はもう、まったくゼロになることもあるのだと知りました。それで、このまま終わってしまってもいいのかと自問し、風俗の利用を決意しました」
彼女が選んだ店は、2時間2万円の出張マッサージ店。事前の問い合わせで、本番があることも確認した。
これまで知らなかった喜びを知り、生活が劇的に変化したようだ。「フェロモンも増えたみたいで、今では周りの人が、私のことをイヤらしい目で見ているような気がする」ともいう。それにしても、これまで性の喜びを知らなかった女性が風俗デビューをはたし、大胆さと快感を知って不倫に走る。そんな構図が見えてくるところも気になるところだ。
次に出会ったのは都内在住、伊藤麻衣子さん(39歳、仮名)。彼女は性風俗の利用経験があるわけではないが、参考までに紹介する。彼女の男性経験は夫しかなく、2年の没交渉だ。
最後に話を聞いた都内在住の専業主婦・野村由香里さん(47歳、仮名)は、取材協力を自ら申し出てこられた。夫は52歳で、子供は今年20歳になる。風俗デビューは5年前で、3時間3万5000円コースだった。
「地元は東京ですが、主人が転勤族で、数年前に都内に戻ってきました。地元の友人から性について相談されることが多く、みな性行為で満足した経験がないというのです。それは行き場のない矛先に困っていた、一昔前の私の姿でした。しかし、私は風俗に行くことで自信を取り戻せたのです。この取材に協力することで、多くの悩める女性の後押しができたらと、切に思います」
彼女は夫の勤務先の名古屋に住んでいる時、風俗サービスを利用した。
風俗店関係者の1人は語る。「やはりまだ、女性が風俗に行くという風潮は、なかなか受け入れてもらえないのが現実でしょう。女性の信用を得て安心して利用してもらえるようにすることが、この業界の課題です」。とはいえ、ここ数年の売り上げはジワジワだが右肩上がりだという。
国内で女性に向けて、「イク」ことを推奨しようとメディアが特集し始めたのが、やはり90年代だった。その後、女性のためのツールが本格的に開発され始めたのが00年頃である。女性の性産業は、まだ始まって10~20年という世界である。男性向け性産業に比べて数百年の遅れがあるといえる。それは重い扉のようだが、一度開けば閉じることはない。まさに“禁断の扉”のようだ。
(文=風間文子)

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