「週刊文春」にセクハラ疑惑が報じられていた幻冬舎の編集者・箕輪厚介氏が6月8日、自身のツイッター上で、テレビ番組出演等の活動を自粛すると宣言した。

 箕輪氏はフリーランスの女性ライターに対して、性的な関係を迫るような内容のLINEメッセージを執拗に送っていたことが、5月中旬に報じられた。

さらにその後、「俺は反省してないです。ふざけんなバーカ」「何がセクハラだよボケ」などと発言していたことが報じられると、批判の声が高まった。

 箕輪氏は、幻冬舎との協業で運営していた書籍レーベル「NewsPicks Book」の編集長を務めるほか、「Abemaプライム」などメディア出演も多い。NewsPicks Bookは今回の騒動を受けて、箕輪氏が編集長を退任するとともに終了するという。

 そんななかで、箕輪氏がコメンテーターを務めていた情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では9日の放送で、同氏の出演取りやめを発表したが、番組MCの加藤浩次は箕輪氏に対して苦言を呈して話題を呼んでいる。

 水卜麻美アナウンサーが箕輪氏からのメッセージを代読したが、「すべて身から出た錆だと考えております。コメンテーターという仕事をするのにふさわしくないと考え、自分なりのけじめとして『スッキリ』をはじめとしたテレビ番組の出演はすべて自粛することにしました」との謝罪文に対して加藤は、コメンテーターを務めていた人間として、テレビの場で自ら説明すべきだと指摘。

「コメンテーターという立場でテレビに出ているということは、何かあった時、そこでやっぱり言葉を紡いでいかないと。そして自分が何か反省があるんだったら、その場で言うのが、僕はテレビに出てる人間のやらなきゃいけないことじゃないか」と厳しい言葉で箕輪氏を叱責し、「箕輪さんとはちょっとそこの考え方が違ったんだなというのは、非常に残念に思っています」と失望した様子を見せた。

 一方で、今回の騒動とは別に、これまでの箕輪の発言や功績は評価。「箕輪さんがやったことはダメな部分も相当あるし、本人も反省していると思うんですけど、その部分だけは許せない部分も僕はちょっとは持ってるんだけど、番組とか出版された本とか素晴らしいものはいっぱいあります。そこには僕はリスペクトを持ちたいし、すべてを否定するのは違うと思います」と語り、評価されるべき部分と非難されるべき部分は個別に考えたいとの見解を示した。

「(箕輪氏は)他人のことはいつも歯切れの良いコメントをしていたのに、自分のこととなると表に出て来ないのは卑怯」

「加藤の言う通り。コメンテーターなんだから、(週刊誌等の報道に)違うところがあると言うのなら、自分の口で説明するべき」

「どんなに過去に良い発言をしていても、騒動を起こしたことで世間は『お前が言うな』という反応を起こす」

「加藤が言うように過去を全部否定するつもりもないけど、箕輪の言葉に重みがなくなってしまうと思う」

 このように加藤に同調する意見や箕輪氏に批判的な声が多い。だが、少数ながらも加藤の対応が甘いとの声も散見される。

「加藤さん、相変わらず仲間にはちょっと苦言を発したあとにフォローを入れる、甘い対応」

「加藤浩次と近藤春菜は、今まで散々セクハラ、パワハラに対して、厳しい発言をしていた。それこそ、絶対許さない姿勢だったのに、身内になったら、あんな緩いコメントとは、本当に情けない」

 箕輪氏は「一連の問題で不快な思いをさせ申し訳ございません。僕自身、一般的常識を欠き、傲慢な人間になっていたことを自覚し、深く反省しております」と反省の弁を述べているが、騒動の詳細に触れず活動を自粛すると発表したことで、「逃げた」と非難する声が多い。箕輪氏は「文春」の報道が出たあと、「事実ではない部分がある」との主張をしていただけに、何が事実と違うのかを説明すべきだったのではないだろか。

 箕輪氏は緊急事態宣言下において、自身のYouTubeチャンネル上で「スナック箕輪」と名付けて著名人とオンライン飲み会を行う様子を配信するなど、大きな発信力を持つ。影響力があるからこそ、真摯な発言が求められる。

(文=編集部)

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