12月2日にメジャーデビューをひかえた9人組ガールズグループ・NiziU。デビューに向けてメディア露出が増えており、11月5日より新番組『We NiziU!~We need U!~』が「Hulu」で配信開始となったほか、8日放送の『シブヤノオト』(NHK)、9日放送の『CDTV ライブ!ライブ!』(TBS系)など、音楽番組への出演もこなしている。

「NiziUはマコ、リク、リマ、リオ、マヤ、ミイヒ、マユカ、アヤカ、ニナの9人グループ。彼女たちはTWICEやITZYなどのアイドルを生んだ韓国の大手芸能事務所・JYPエンターテインメントとソニーミュージックによる共同オーディション企画『Nizi Project』から誕生。『Nizi Project』の模様は1月からHuluで配信され、4月からは『スッキリ』(日本テレビ系)でも定期的に特集が組まれたことから、ネットでは誰がデビューメンバーとして選ばれるのか注目が集まっていました。

 6月30日に配信限定リリースしたプレデビュー作『Make you happy』は、オリコンの『週間デジタルアルバムランキング』『週間デジタルシングルランキング』『週間ストリーミングランキング』の3部門で1位となっただけでなく、11月16日付のオリコン週間ストリーミングランキングでは累計再生数1億回を突破して女性グループで初となる快挙を達成するなど、いま最も勢いのあるグループの一つです」(芸能ライター)

J.Y. ParkはアメリカにK-POPを知らしめた存在

 NiziUが人気グループとして成長していることには、「Nizi Project」の総指揮を務めていたJYPエンターテインメント創業者のプロデューサーJ.Y. Park(パク・ジニョン)の影響も大きいだろう。

「J.Y. Parkはもともと、シンガーソングライターとして1990年代に活躍。1997年に独立して芸能事務所『テホン企画』を立ち上げ、プロデュースを担当した女性シンガーのチンジュや5人組男性グループ・godが韓国で大人気に。2001年には『JYPエンターテインメント』に社名を変更し、シンガーのRAIN(ピ)やイム・ジョンヒ、男性グループ・Noelなどのスターを輩出しました。

 2009年にはアイドルグループ・Wonder Girlsのアメリカ進出を試みたものの、当時は少女時代やKARA、2NE1といった実力派アイドルグループが台頭。結果としてWonder Girlsの楽曲『Nobody』は米ビルボード『HOT100』チャートで76位にとどまり、ブレイクにはつながらず。とはいえ、Wonder Girlsのアメリカ進出後から、アメリカでのK-POPの知名度が高まり、2012年にはPSYの『江南スタイル』が米ビルボード『HOT100』で2位を記録。J.Y. ParkはアメリカにK-POPを知らしめた存在ともいわれています」(同)

「ただ自分らしくありのままで」マツコ・デラックスもJ.Y. Parkの指導力を絶賛

「Nizi Project」でJ.Y. Parkは、オーディション参加者を決して否定することなく優しく歩み寄る指導法を実践。「コンセプトは必要ないです。

僕たちはみんなもともと特別だからです。だから、ただ自分らしくありのままでいてください」などの名言がネットで話題となり、アイドル好きとして知られるマツコ・デラックスも『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)で「あの人ね、優しいんだよね。絶対に『あなたダメ』とは言わないの。今の若い子にすごい響いたんだと思う」とJ.Y. Parkの指導力を絶賛していた。

「J.Y. Parkは、アーティストの人間性を重んじることで知られています。彼がプロデュースしたTWICEは10月28日に放送された韓国のバラエティ番組『ラジオスター』で、練習生時代にITリテラシーに関する教育のほか、性教育も行われていたと明かしています。さらに『JYPエンターテインメント』の全社員はホステス女性がいるお店への出入りを禁じられているとのことで、所属アーティストはもちろん、社員にも徹底した教育を行っているようです。それが功を奏しているのか、このところ目立ったスキャンダルはありません」(同)

 一方、BIGBANG、2NE1、BLACKPINKなどが所属する韓国の大手芸能事務所「YGエンターテインメント」は、近年BIGBANGメンバーの大麻使用疑惑や性売買斡旋疑惑などさまざまなスキャンダルに見舞われ、代表のヤン・ヒョンソクにも性接待疑惑や所属グループ・iKONの元メンバーB.Iの麻薬購入・使用捜査をもみ消した容疑などが浮上し、ヤン・ヒョンソクは2019年6月にすべての役職から辞任。

“奴隷契約”と問題になったSMエンタ、YGエンタもJYPを見習うべき

 また、SHINeeやEXOなどが所属し、“韓国のジャニーズ”とも呼ばれる「SMエンターテインメント」は、過去に東方神起やEXO、SUPER JUNIORのメンバーが所属契約について訴訟を起こしており、2017年にはSHINeeのジョンヒョンが自殺するという悲しい出来事も。

「NiziUの注目度が高まるにつれて、所属アーティストの目立ったトラブルが起きていない『JYPエンターテインメント』の体制が改めて評価されており、最近では『YGエンターテインメント』でも外部講師による講義などを行って人格教育に力を入れているといいます。日本の芸能界でも、タレントの素行不良やSNSでのバッシング問題などが取りざたされており、『JYPエンターテインメント』の方針から学ぶべき部分もあるかもしれません」(同)

 10月6日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)に生出演した際には、「Nizi Project」の続編として、男性アイドルグループのオーディションを予定していると明かしたJ.Y. Park。今後も韓国はもちろん、日本の芸能界も盛り上げていってほしいものだ。

(文=編集部)

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