2020年末の嵐の活動休止まで、残すところあとわずか。嵐メンバーの5人は、1999年9月のデビューからの21年間、私たちの胸を打つ歌やパフォーマンスを届け、またバラエティでの振る舞いでは私たちを大いに笑わせてくれもした。

さらには俳優としてさまざまなドラマや映画に出演し、ある時は涙を誘い、ある時はドキドキさせてくれた。

 そんな彼らへ感謝と敬意を込めて、ビジネスジャーナル編集部の独断と偏見で、嵐メンバーそれぞれの「ベストドラマ」をチョイスしていきたい。今回は松本潤編だ。

道明寺が放った「日曜。恵比寿ガーデンプレイス。時計広場。1時」で彼の地は“聖地”に

 松本潤(37)の代表作といえば、『花より男子』(TBS系)を思い浮かべる人も少なくないだろう。

『花より男子』は2005年10月クールで放送。ヒロインの牧野つくしを井上真央が演じ、松本はセレブ男子4人組「F4」のリーダー・道明寺司を演じた。松本のゴージャスなルックス、時々のぞくやんちゃな一面、物事に対してまっすぐなアツさは、道明寺というキャラクターに見事にマッチしていた。

 ドラマでは、貧しい家庭に生まれながらもセレブが集まる英徳学園に入学したつくしが、当初は対立していた道明寺と徐々に惹かれ合うようになり、最終的には結ばれる。その過程で、道明寺のちょっとおバカで甘い名セリフがいくつも飛び出すのだ。

 第3話では、道明寺がつくしをデートに誘った際のセリフ「日曜。恵比寿ガーデンプレイス。時計広場。1時」が話題に。こんな一方的で上から目線なセリフでも、道明寺だからこそ許されるのだ。つくしをデートに誘った道明寺は、雨のなかつくしを待つことになるのだが、まるで母犬を待つ子犬のように寂しそうで不安げな表情を浮かべながら、ずぶ濡れでつくしを待ち続ける道明寺の姿に、これでもかというほど庇護欲が刺激されるファンが続出。ちなみに恵比寿ガーデンプレイスの時計広場は、嵐ファンの間では聖地となっている。

『花より男子』で共演した井上真央と実生活でも結ばれるのか?

『花より男子』第8話では、「女子高生日本一決定戦」への出場を断念しようとしたつくしに対し、「この俺が認めた女なんだから、最強に決まってんだろ?」「俺とお前は運命共同体なんだから」と励ましていた道明寺。「俺が認めれば最強」という根拠のないセリフも、道明寺が言えば説得力が出るから不思議だ。

『花より男子』は平均視聴率19.8%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)と大ヒットし、2007年1月にはシーズン2が放送され、2008年6月には映画化もされた。また、同ドラマでの共演をきっかけに井上と松本は交際が噂されるようになり、ファンからは「リアル花男カップル」「本当にお似合い」との声が殺到。2人は嵐の活動休止後に結婚を控えているのではとの話もあるが、現実化すれば花男ファンは歓喜するに違いない。

2003年『きみはペット』で魅せた「オスとしてのフェロモン」の破壊力

 2003年4月クールの『きみはペット』(TBS系)では、小雪演じるキャリアウーマン・スミレにペットとして飼われるダンサーの青年・モモこと合田武志を演じた松本。俺様キャラでツンデレ系ともいえる『花より男子』の道明寺とは違い、モモを演じる松本はとことんスイートな魅力が満載で、こちらも捨てがたい。

「ペットとして居候させてあげる」とスミレから言われたモモは「ワン!」とひと鳴きし、ひざまずいて「よろしく、ご主人様」と言いながら上目づかいでお手をする。スミレが帰宅すると大喜びして抱きつく。そんなペット的な可愛さだけでなく、自販機にスミレを押し付けて激しいキスをする、いわゆる壁ドンならぬ“自販機ドン”をしたりと、オスとしてのフェロモンも全開なのがモモの魅力である。

 松本は当時19歳で、少年らしいあどけなさが残っていた時期だからこそハマった役だったのかもしれない。ちなみに『きみはペット』は2011年に韓国で映画化され、2017年2月にスミレ役を入山法子、モモ役を志尊淳が演じ、フジテレビ系で復活しているが、ネットでは小雪と松本が出演した第1クールについて「この2人は超えられない」「原作マンガのイメージそのまま」「破壊力がすさまじい」と絶賛する声が相次いでいる。

 近年の松本は、コンサートの演出を手がけたり、後輩ジャニーズの指導にも当たっているというが、俳優として培ってきた表現力の豊かさや役柄の魅せ方がそこにも活かされているのかもしれない。また、嵐の活動休止後には、2016年の主演ドラマ『99.9-刑事専門弁護士-』の映画化が予定されているという話もある。俳優として、プロデューサーとして活躍する松本から、今後も目が離せない。

(文=編集部)

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