6月6日、「AKB48 41stシングル選抜総選挙」が福岡ヤフオク!ドームで行われ、一昨年の1位から昨年2位へ順位を落とした指原莉乃が再びトップへ返り咲くなどして、大きな盛り上がりをみせた。

 その一方、今回の総選挙を生中継したフジテレビ番組に対し、早くも一部インターネット上では「CMが多すぎ」「スピーチ遮るな」という批判が数多く寄せられ、ファンからも「感動のシーンをぶち壊し」「不謹慎だ」などという声が上がっている。

テレビ局関係者が語る。

「特に下位順位発表の前半19時台は、数分単位でCMが入り、視聴者の感覚では全体時間の半分くらいCMを見させられている印象でした。最も盛り上がる後半の上位発表の時間帯でできるだけCMを挟まないためだったのでしょうが、その肝心の上位メンバーのスピーチ途中でもお構いなしにCMが入っていました。テレビ局の人間からみても、ちょっとヒドいですね。これではファンから批判が出ても仕方ないでしょう」

 実際に30代のAKBファンは、次のように不満を漏らす。

「5位の松井珠理奈がフラフラになって悔し涙を流しながらスピーチするシーンで、突然CMが入ったのには驚きでした。さらに6位の山本彩のスピーチでは、途中でCMが入り中継に戻った途端、司会の徳光和夫に強引にスピーチを終了させられ、またその直後にCM入り。なんでこんなにヒドいことになってしまったのか」

●スピーチ途中の“笑い声”

 さらに波紋を呼んでいるのは、メンバーの真剣なスピーチの途中で紛れ込んだ“笑い声”だ。別のテレビ局関係者はこう指摘する。

「今年卒業予定の高橋みなみが号泣しながらスピーチするシーンで、何度も“あはは”という男性の笑い声が流れたのには驚きでした。まだ無名だったAKB設立当初からリーダー的存在として常にグループを引っ張ってきた高橋が、これまで抱いてきた複雑な心境を吐露し、テレビ画面右上のワイプでは“盟友”の小嶋陽菜が涙を堪えて真剣な表情でそれに見入るという感動的な場面でも、笑い声が流れていました。その時、スタジオ出演のタレントたちの表情は一様に真剣で、その笑い声の音質から番組スタッフによるものだと思われますが、緊張感を欠いている証といえます。
仮に出演タレントの笑い声をマイクが拾ったものだったとしても、あの場面で流れるなどあってはいけないことです。テレビ局的には広い意味で放送事故といってもおかしくありません」

 20代ファンも語る。

「高橋とファンにとって最後となる今回の選挙は、はかり知れないほどの大きな意味を持っています。その場で高橋は、アイドルとしてどう振る舞えばよいかずっと悩んでいた過去や、前田敦子や大島優子という“カリスマ的メンバー”をみて自分は絶対に1位にはなれないという複雑な思いを抱きつつも、グループ全体のために尽くしてきた“心の葛藤”などを語り、ある意味で今回の総選挙で一番感動的な場面ともいえます。そこでなぜ“あはは”なのか。フジテレビとしてはAKB総選挙や盛り上がるファンなど、はなからバカにしているのでしょうね。来年は絶対に他局で中継してほしいです」

 昨今、視聴率低迷が叫ばれるフジテレビ。低迷の理由はこうした「番組づくりへの姿勢」にもあるのかもしれない。
(文=編集部)

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