「大阪人」と聞いて、あなたはどのようなイメージを思い浮かべるだろうか?

「明るくて面白い人気者」というイメージを抱く人や、実際、まわりの大阪人がそういうポジションだという人もいるだろう。

 ポジティブなパブリックイメージがある大阪人だが、一方でその強すぎる個性が災いしてか、ネガティブな印象を抱いている人も少なくない。



 そこで今回は、関西圏出身者以外の20~40代の男女にアンケート調査を実施し、大阪人に対する本音に迫った。

●“笑い”に対するこだわりがウザい

 今回の調査でわかったのは、アンケートに協力してもらったうちの約7割は、基本的に大阪人に悪い印象を抱いておらず、おおむね好印象ということだ。

 しかし、残りの約3割からはネガティブな意見が噴出した。中でも多かったのが、やはりというべきか、“笑い”に対するものだ。

「大阪人って、『大阪人が一番面白い』って完全に信じ込んでません? テレビに出ている関西のお笑い芸人さんは本当にすごく面白くて才能にあふれていると思いますけど、私が今まで出会ってきた大阪人の笑いのセンスは私には合わず、心の底から面白いと思う人は1人もいませんでしたね」(31歳・女性・静岡県出身)

「僕が話し終えたら『……って、オチないんかい!』ってツッコんでくる大学の友人。かなりウザい。話にオチつけなきゃいけないみたいな義務感、危機感を持っている大阪人は、狭い価値観の中で生きてきたんだなと心底思う」(21歳・男性・福島県出身)

「自分で勝手にボケておいて、『ちょいちょい、ツッコんでや~。今のボケやで? これだから東京人は笑いをわかってへんわ~』とか言う大阪人が、会社の同僚にいるんです。百歩譲って、俺にツッコミの才能がないことは認めますが、その大阪人のボケは1ミリも面白くないんで……。だってこないだなんか、腕に巻いたなんの変哲もない白いデジタル時計を見せつけてきて、『アップルウォッチ、ゲットやで~!』とか言ってくるんですよ? そんなレベルのギャグにどう反応しろと……(苦笑)。嫌な人ではないんですが、一緒にいると疲れますね」(36歳・男性・東京都出身)

 大阪人特有の笑いに対するこだわりやプライドが、関西圏以外の人からは受け入れられない場合があるようだ。

●意外と陰険な面も不評

 また、“笑い”以外の部分ではこんな特徴も指摘された。


「私は広告代理店に勤めているんですが、入社2年目の時に友人のコネクションを使ったある広告プランを提案して、採用されたことがあったんです。そうしたら、大阪出身の女の先輩が『友達多いだけで企画通しちゃうなんてすごいねぇ』なんて嫌味全開で言ってきて。一見サバサバしているように見えて、案外、陰険なんだなって思いました」(28歳・女性・長野県出身)

「男同士の飲み会での出来事。大阪人の2人がずっとその場にいない同僚の悪口を言っていて、ちょっと引きましたね。男社会のマウンティングみたいなものへの執着が、大阪人は特に強いのかなと(苦笑)。性格ブスばっかの女子会でも、あそこまで陰口言わないんじゃない?」(40歳・男性・埼玉県出身)

「38歳で結婚が決まった女友達に、大阪の子が『子供はどうするの? 急がなきゃね』みたいなことをズバズバ聞いてて、その場にいた私はヒヤヒヤもの。デリカシーなさすぎですよ」(41歳・女性・埼玉県出身)

 意外に陰湿な面や、空気が読めない言動を不快だと捉える人も少なくないということだろう。

●公共の場での図々しい姿も

 ここまでは友人、知人、同僚といった直接つながりのある人物に対しての意見だったが、公共の場で見かけた大阪人に対しても、次のような声が上がっている。ちなみに、今回は“公共の場で見かけた大阪弁を使う人物”を広義に“大阪人”と表現したい。

「新宿駅の改札を出て1メートルほどの場所で、大阪弁のおばちゃんたちが地図を広げながら『次はどこいこか?』なんて延々立ち話をしていた。そこで立ち止まったら改札を行き来する人の邪魔なんだが……。見かねた駅員さんが、『もうちょっと端に寄ってくれませんか』というようなことを言いにいったようで、人の邪魔にならない位置に渋々移動していたが、その後に『東京は細かいことにいちいちうるさいな~』なんて言いながら大声で愚痴ってた。
往生際が悪いというかなんというか……」(25歳・女性・東京都出身)

「表参道のルイ・ヴィトンで値切っている大阪のおばちゃんを見ました。店員さんの困惑顔にはウケましたが、こんなハイブランドの正規店でも値切るのか~と、ただただ驚き」(31歳・女性・静岡県出身)

 繰り返しになるが、アンケートに協力してくれた大半の人は、大阪人に好意的な印象を持っており、今回挙げたような批判的な意見は、あくまで全体の3割ほどでしかない。

●大阪人こそグローバルスタンダード?

 そして、長所と短所は表裏一体ともいうべき意見が少なくなかったことを、最後に記したい。

「確かに、大阪人はちょっとウザかったりデリカシーのない発言をする人もいるかもしれないけど、それって逆の見方をすれば、『好きなものは好き、嫌いなものは嫌い』と自分の意見を正直にズバッと言えるということでもあるんじゃないかな。奥ゆかしさは日本人の美徳かもしれないけれど、世界に出ればその価値観は理解されにくいし、日本人は主張をせず、何を考えてるかわからないって思われているでしょう? だから、はっきりと主張ができる大阪人は欧米的とも言えるはず」(36歳・男性・東京都出身)

「空気読んでばっかりの東京人は世界的に見ればガラパゴスで、大阪人の感性のほうがよっぽどグローバルスタンダードなのでは? 今、全体的に元気のない日本という国が、これからもう一度世界で存在感を示すためには、良い意味で大阪人の図々しさみたいな部分が必要なんじゃないかと本気で思うんですよ。日本全体が大阪人を見習えば、日本という国のイメージがエネルギッシュになっていって、また世界のトップとも渡り合っていけるようになるんじゃないのかな」(31歳・男性・千葉県出身)

 その強すぎる個性ゆえ、一定数からは嫌悪感を抱かれがちな大阪人だが、日本が再び活気を取り戻すための鍵となるのも、また大阪人なのかもしれない。
(文=A4studio)

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