5月、お笑い芸人のじゅんいちダビッドソンが、かねてからものまねをしているサッカー日本代表選手の本田圭佑(伊ACミラン)と初対面を果たし話題を呼んだ。5月17日深夜放送の『じゅんいちダビッドソンのミラノで伸びシロ見つけました』(フジテレビ系)内で、サッカー解説者の前園真聖とともにミラノまで渡り、本田との接触に見事成功。
ものまね芸人にとって、その対象者本人に公認されるかどうかは死活問題だ。テレビ局関係者が話す。
「挨拶をして本人の了解を得たかたちを取ると、その後の活動がしやすくなります。そうしないと芸人にもモヤモヤが残りますし、起用するメディア側が気にする場合もありますからね。かつて松村邦洋は、ビートたけしのものまねで2時間喋り続ける『ほぼビートたけしのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)を成し遂げたこともありましたが、これはたけしが松村の芸を認めているからこそ成り立った企画です」
だが、本物とものまね芸人は、必ずしも良好な関係で結ばれている例ばかりではない。テレビ局関係者が打ち明ける。
「本物がそっくり芸人を認めないと、了見の狭い人と思われがちですが、そっくり芸人のなかには非礼な人も結構いますからね。実際に過去にも有名ミュージシャンとトラブルを巻き起こした、そっくり芸人もいます。本人になりきっているからか、勘違いしてしまう芸人がいるんですよ。あくまで本物がいるからこそものまねが成立するのに、その根本的なことを忘れてしまい、天狗になる芸人も中にはいます」
また、芸人がものまねをやり始めたときや売れ始めたタイミングで本人のもとへ挨拶に行かないと、のちのち共演などが難しくなることもあるという。
「最近あまりテレビで姿をみられなくなったコージー冨田は、2000年前後にタモリのものまねで大ブレイクしましたが、当時タモリに挨拶へ行っていなかったといわれています。
芸能界で息長く生き残るためには、最低限の礼儀は欠かせないようだ。
(文=編集部)