危険すぎる!中国進出で破綻&巨額損失の日本企業続出…現地人経営者の不正横行

 不正会計処理が企業の財務内容を蝕んでいる。

 東芝は西田厚聰氏、佐々木則夫氏、田中久雄氏の歴代社長3氏が引責辞任した。第三者委員会の報告書で、2009年3月期から15年3月期の第3四半期(08年4月~14年12月)までの間に、税引き前利益段階で累積1518億円の減額修正が必要と指摘された。

 次の焦点は貸借対照表が果たして適切なものだったか、という点に移る。東芝は06年、原子力発電プラントメーカー、米ウエスチングハウス(WH)を6210億円で買収し3500億円ののれん代を計上した。11年の東京電力福島第一原発事故後、原発関連企業の企業価値は下がっているにもかかわらず、東芝はのれん代を減損しなかった。同社はWHの業績は順調としているが、のれん代を減損してこなかったことが適切だったかどうかが問われることになる。

●不正会計の舞台は海外子会社

 不正会計が表面化したのは東芝だけではない。最近顕著になった事例が、海外子会社を舞台とする不正会計だ。日本企業による海外M&A(合併・買収)が一大潮流となったのに伴い、不祥事も増えてきた。

 東京商工リサーチの調べでは、14年度に不適切な会計処理を開示したのは42社。調べ始めた08年以降で最も多い。中でも目立つのは海外子会社が関連する案件だ。LIXILグループは中国で衛生陶器を展開している子会社ジョウユウで、創業者の中国人親子が不正会計処理に手を染めていたことが発覚。LIXILは14年3月期から3年間で最大660億円の損失計上に追い込まれた。

 KDDIは連結子会社でシンガポール証券取引所に上場しているDMXテクノロジーズ・グループが、08~09年にかけ不適切な会計処理をしていたことが明らかになり、15年3月期の連結決算で海外子会社事業損失337億円を計上した。

 KDDIは09年、香港で中国向けのシステムインテグレーション事業を展開するDMXの株式52.5%を123億円で取得した。今年2月、香港警察に女性トップであるジスミル・テオCEO(最高経営責任者)が逮捕され、不正会計が明るみに出た。

●江守HD破綻

 体力のない企業では、海外子会社の不正会計処理が命取りとなるケースがある。

 東証1部上場だった化学商社、江守グループホールディングス(HD/福井市)は4月30日、東京地裁に民事再生法を申請。翌5月1日に再生手続きの開始決定を受けた。子会社の銀行取引などの保証債務を含め、負債総額は711億円にのぼった。

 1906年(明治39年)に薬問屋「江守薬店」として創業した老舗、江守HDが躍進する原動力となったのが中国だった。化学品や金属資源、合成樹脂、電磁材料など素材関連の取引で右肩上がりの成長を果たした。タブレット端末やスマートフォンの世界的な普及に伴い、レアメタルなどの需要が大幅に伸び、取引額は年を追うごとに増えた。

 10年3月期に659億円だった連結売上高は、4年後の14年3月期に2191億円と3.3倍、営業利益は18億円から57億円と3.1倍に拡大した。中国に設立した4社の現地子会社が業績を牽引し、売り上げ全体の7割を中国関連が占めた。株式市場では中国銘柄の1社に数えられた。

 江守HDは今年3月16日、14年4月~12月期の連結決算を発表した。中国の主要取引先の大部分を破たん懸念先と区分し、特別損失として462億円の貸倒引当金を計上した。この結果、439億円の最終損失を抱え、234億円の債務超過に陥った。中国子会社で売掛債権に不正会計処理がなされていた。子会社の経営トップだった前総経理(社長)が内部規則に違反し、親族が経営に関与する企業4社との間で、販売した商品を同じ条件で買い戻す「売り戻し取引」を行っていた。この不正が命取りとなった。

 江守HDは、表面上は増収・増益の好業績企業だったが、民間調査会社は「要注意企業」と判定していた。営業キャッシュフロー(現金収支)のマイナスが5年間続いていたからだ。本業で現金が失われていた実態が表面化するのに、それほど時間はかからなかった。毎年黒字決算を続けている企業の営業キャッシュフローが5年連続赤字というのは異例。滞留債権がどんどん膨らんでいったことを示しており、資金繰り悪化で破綻する懸念があった。

 江守HDはスポンサーに医薬品メーカーの興和グループ会社、興和紡を選定し、5月に主力の江守商事など国内8社を譲渡・売却した。109年の歴史に幕を閉じることになった創業家出身の江守清隆社長は記者会見で、「中国事業の失敗は、悔やんでも悔やみきれない」と悔しさをにじませたという。

 江守HD、LIXILグループ、KDDIのつまずきの石になったのは、いずれも中国事業である。海外展開する日本企業に、中国では日本流の性善説に立ったマネジメントが通用しないことを知らしめた。「中国リスクは、これから次々と大口案件で顕在化してくる。これまで発覚したものは氷山の一角にすぎない」(大手企業筋)との見方も広がる。
(文=編集部)

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