マツコ・デラックスと関ジャニ∞の村上信五がMCを務める『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系列)。この番組では、しばしば地方ネタが取り上げられるのだが、地方を“バカにする”構成なのが特徴的である。
例えば、最近では静岡を扱った回では、タイトルから完全にバカにしており、その名も「静岡県モルモット問題」。良く知られているといえば知られているのだが、企業が新商品を発売するときに、ヒットするかどうか、試験的にまずは静岡で販売する。静岡は西日本と東日本の境目であり、嗜好も人口構成も気候も「普通」となっており、県民性が平均的だからという理由かららしい。
東京に隣接し、田舎度が顕著に表れる埼玉も格好の餌食になっている。「日本一医者が少ない」「総理大臣を輩出したことがない」「貧乳が多い」やら散々な言われようである。「大宮vs.浦和」といった地方争いなども、視聴者の関心をくすぐるらしい。
では、なぜこんなにもおちょくられまくりなのに、非難を浴びず、逆に注目を浴びるのか。その理由はやはり、マツコと村上自身が地方出身(マツコは千葉、村上は大阪)で、都会的ではなく、バカにしながらも地方目線を忘れず、地方に寄り添うオーラを醸し出しているからであろう。
また、都会をディスることを怠らないのもポイントのようだ。例えば、「横浜も地方だよ!」などと叫ぶマツコの発言が、筆者のような地方在住者からすると爽快でたまらないのだ。
余談だが、筆者が住んでいる鳥取も、やはりあの「スタバ進出騒動」で取り上げられたが、こちらのテレビ局は「あの『月曜から夜ふかし』がスタバ問題を取り上げた!」という切り口で放送していたぐらいである。鳥取でも人気番組なのか、『月曜から夜ふかし』がヘビーローテーションで再放送されている。
毎回地方が取り上げられると、「ディスられた」との話題で持ち切りの『月曜から夜ふかし』。やはり、話題にされたら嬉しいのが地方在住者の本音なのかもしれない。
(文=中西美穂/フリーライター)