胸のサイズが小さい人向けのいわゆる「貧乳ブラ」が人気を博して数多くのメディアで取り上げられ、また「巨乳」というテーマがテレビ番組のトークや特集などで当たり前のように扱われている昨今、実は女優にとって胸は邪魔なパーツとなりがちであることは、あまり知られていない。かつて長澤まさみや上戸彩は、記者会見など公の場ではあえて胸の大きさがわかりにくい服を着ていたことは有名なエピソードである。

また、今では人気女優のひとりとなった倉科カナはグラビアアイドル時代、胸の大きさで多くのファンを魅了したが、本格的に女優へ転向した途端にその武器を鞘に収めた。雑誌編集者が話す。

「大きな胸を隠したがる女優は、意外なほど多いです。グラビアや特写では、掲載前に事務所の写真チェックを受けますが、胸が大きく見える写真がことごとくNGになるケースはざらです」

 そして最近、業界内で密かに話題になっているのが、早見あかりだという。2011年4月にアイドルグループのももいろクローバーを脱退し、女優に転向。昨年、NHK連続テレビ小説『マッサン』に出演し、その名を全国に轟かせた。今年はトーク番組『A-Studio』(TBS系)のアシスタントに就任し、最近ではCMで見掛ける機会も激増している。芸能関係者が話す。

「彼女は決してタイトな服は着ず、あえてダボッとした衣装を選んでいますが、これは大きな胸だとわからせないためです。しかし、動くとどうしても隠せないときはありますからね。大きな胸というのは、一般の女性に対してはかえって逆効果になるケースも多いのが現実です。羨望の眼差しで見られる一方で、どうしても同性に嫌われがちになるので、女優は隠したがるのです」

 たしかにグラビアアイドルから女優に転身し、成功を収めた例は数少ない。


「最近では小池栄子が存在感のある女優になりましたが、小池の場合、サバサバしている性格が同性受けするし、グラビアアイドル王道の“かわいい顔”が売りなわけではありません。胸が邪魔にならなかった珍しい例です」(同)

 確かに、今クールの連続ドラマの主要キャストを見ても、胸の大きさを売りにしている女優はいない。

「視聴者は、どこか“上から目線”で女優を見たい気持ちがあるものです。『あの女優は宗教にハマってるもんな』『あの女優は整形疑惑があるし』といったような突っ込めるポイントがあると、どこか安心する。『自分でも、がんばればああなれるかも』という期待を抱かせる女優が人気を得るのです。美人で胸が大きいとなると、マネのしようがなくて、同性の共感を得にくい。だから、女優はあえて隠そうとするのです」(テレビ局関係者)
 
 女優もラクなものではない。
(文=編集部)

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