昨年12月、サービス産業生産性協議会が発表した2015年度「JCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction Index)」の家電量販店部門において、ヨドバシカメラが6年連続で顧客満足1位を獲得。JCSIは「顧客期待」「知覚品質」「知覚価値」「顧客満足」「推奨意向」「ロイヤルティ」の6つの指標から分析されたもので、ヨドバシカメラは今回、全指標で1位となっている。
都内のヨドバシカメラで買い物をしたAさんは語る。
「商品を購入するためにレジカウンターに行くと、ちょうど空いている時間だったのか先客はいませんでした。しかし、そのせいかカウンター内では男性店員が2人で客側に背を向けて何やら話し込んでいて、私が待っているのになかなか気付いてもらえず、しばらくすると別の店員がカウンター内に入って来たが、私を無視して奥へ消えていったのです。せめて『いらっしゃいませ、少々お待ちください』くらい言うべきではないでしょうか」
さらに、同じく都内の別のヨドバシ店舗を利用したというBさんは語る。
「先日、ある商品を他の店舗から取り寄せてもらうことになり、『土日を挟むので、週明けに入荷したら連絡します』と言われました。それは全然問題なかったのですが、週が明けても連絡がないまま水曜日になったので、外出ついでに直接店舗を訪れて、店員に『お願いしていた商品は、まだ届いていませんか?』と聞いてみたのです。店員はすぐに調べてくれて、ハッとした様子でレジカウンター後ろの棚へ。そこに置いてあった商品を持ってきて、『すみません、届いてました』と……。連絡するのを忘れていたようでした。カウンターで待っていた私からも見える場所に置かれていたため、『あそこに放置されていたんだな~』とわかってしまったのと、人にプレゼントするために取り寄せた商品だったので、早く連絡が欲しかったです」
顧客満足度調査では確かに1位だが、このように不満を感じる顧客も多いようである。
●ネット注力で接客がおざなりに?
また、ヨドバシカメラといえば、近年は通信販売サイト「ヨドバシ・ドット・コム」のサービスや売上高でも注目を集め、「巨人・アマゾン」を凌ぐ勢いともいわれている。
「ネット事業に力を入れすぎて、店舗での接客の質が落ちているのではないでしょうか。売り場でも、客が自分たちのスマホで商品のバーコードを読み込めば在庫情報などが確認でき、確かに便利です。でも、顧客満足度1位を掲げている以上、接客もきちんとしてほしいです」
6年連続の1位は快挙だが、油断して転落しないよう、目の前の客への対応を見直したほうが良いかもしれない。
(文=編集部)