先日、シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子に「パチンコ依存症」の疑いがあることが『女性自身』(光文社)で報じられたばかりだが、「Qちゃん」がパチンコ玉の「球ちゃん」になっただけでなく、近年は何かと女性の「パチンコ依存症」が急増していることが話題になっている。

 そもそもパチンコ依存症を始めとしたギャンブル依存症は「病的賭博」という、れっきとした精神障害の一種であり、世界保健機関(WHO)でも疾病分類に該当している。

過去にはパチンコ依存症の男女比率は7:1と圧倒的に男性の方が多かったが、ここ数年で一気に女性の比率が高まっているという。一体、なぜなのか。

 まず、女性のパチンコ依存症が急増したのは、その母体となる「ギャンブルをする女性の増加」ということが挙げられる。

 女性の社会進出が進み、働く女性が平均的に多くの所得を得るようになったことが大きな原因の一つ。単純な話で、パチンコをするにもまず金がなければ打てない。依存症になるほど打ち込むには、当然ながらなおさら一定以上の収入が必要となるだろう。

 そういったことを実現できる、つまりはギャンブル依存症になれるほどの経済力を持った女性が増えているということだ。

 また多くの場合、人がギャンブルにハマる理由はお金儲けではなく「お金を支払ってでも、ストレスを解消したい」という欲求である。そういった意味で女性の社会進出は、女性に多くの所得を与えると同時に、膨大なストレスも与えており、それが世の女性をギャンブルという手軽で過激なストレス解消法へ駆り立てるということだ。

 そういった社会的側面にプラスして、パチンコ店を営むホール側の女性客への対応もここ数年で明らかに変化している。

 女性がパチンコに出会う最も多いパターンは「彼氏に薦められて」である。そして、最近の大型パチンコ店には必ずと述べていいほど「カップルシート」が設置されており、パチンコ店は今やデートスポットの一つとして、その地位を確立しつつあるらしい。


 つまり、女性に対する間口が大きく広がっておりレディースデイの充実など、実際に「彼氏とは別れたけど、パチンコとは別れられない」という女性も多いようだ。

「女性のパチンコ人口が急激に増加したのは、『冬ソナ』こと『CRぱちんこ冬のソナタ』が爆発的にヒットした2006年以降といわれています。ホール側からすれば、お金を落としてくれる客なら、男性も女性も関係ありません。むしろ、男性よりも熱くなる傾向がある女性の方が“上客”と捉えている店もあるほど。昔は煙草の煙がもうもうとしている中で、狭い席に並んでパチンコを打っていたイメージがありますが、今は大手チェーン店を中心に分煙化が進み、カップルシートのように広くて快適な席を用意している店舗も数多くあります」(記者)

 確かに冒頭で触れた高橋尚子が現役を引退したのは2008年。彼女もまた、女性のパチンコブームの波に飲まれた一人なのかもしれない。

 他にも「パチンコ依存症」が疑われている女性芸能人は数多く存在する。代表的な和田アキ子やアジャコングのように元々が豪快なイメージであれば、逆にギャンブル業界の仕事も増えるが、元モーニング娘。の後藤真希のように、それが芸能活動の“トドメ”になる場合も……。

 ただ、パチンコを打つ、競馬をするといったギャンブル自体を楽しむことは、何らマイナスではない。むしろ、この「ストレス社会を生き抜くために必要な娯楽」と考えている人もたくさんいるし、社会的にも認められた行為だ。

 だが、ギャンブルに限らず、何事も“節度”は必要。
結局、肝心なのはギャンブルを嗜む各々がセルフコントロール・自己管理できるか否かではなかろうか。

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