年末の『NHK紅白歌合戦』の内容に対し、ここ数年は不満や批判が多かった。アイドルが多すぎることや、目玉のなさなど視聴者の満足を得られていないという評価が毎年のように議論されている。

それでも40%近い平均視聴率を取れるのだからすごいのだが。

 ただ、今年の『紅白』は、すでにここ数年で最大の注目を集めている。真っ先に思いつくのは、12月31日の解散をすでに発表しているSMAPの参加がどうなるか、というところ。

 メンバー間の不仲が伝えられ、『紅白で解散』という誰もが想像するラストも実現するかは不透明な状況だが、NHKの籾井勝人会長が「当然のことながら出てもらいたい」とラブコールしている通り、NHK側は出演を打診し続けるだろう。SMAPが出演するとなれば、ここ数年で最大の瞬間最高視聴率を獲得できることは間違いない。制作側にとっては今年の成功の“絶対条件”とも言えるのではないか。

 それだけではない。今年の『紅白』には、先日歌手活動を再開した宇多田ヒカルが初出場する可能性も大いにある。

 現在放送中の朝ドラ『とと姉ちゃん』の主題歌を歌う宇多田ヒカル。現在はロンドン在住ということで日本に来るのは難しそうだが、スタジオ中継ならば可能ではある。『SONGS』(NHK・9月22日放送)、『Love music』(フジテレビ系9月30日放送)、『NEWS ZERO』(日本テレビ系・10月初旬)と、日本でのメディア出演も一気にこなし、初の『紅白出場』も現実味を帯びてきたようだ。

 ただ、ここにも「不安」はある。
一部メディアは彼女のマネジメントをする父の宇多田照實氏が、『紅白』に消極的と報道している。宇多田ヒカル自身も『紅白』をほとんど見たことがないとのことで、思い入れとしては大きくはない。間に父が入ることで、頓挫する可能性もあるということらしい。

 唯一の希望は、高視聴率をキープしている『とと姉ちゃん』の主演、高畑充希の司会の可能性が大きいという点だろうか。ただ、ここにも“スキャンダル”という不安はあるようだが……。

 SMAPに宇多田ヒカルなど、彼らを出演させるか否かが今年の『紅白』の命運を握っていることは間違いない。「大成功」か「大失敗」の二択しかない状況は、制作陣としても胃が痛くなっているところかもしれない。

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