25日の『みんなのKEIBA』(フジテレビ系)では、クラシック菊花賞の前哨戦・神戸新聞杯(G2)と、古馬が激突するオールカマー(G2)と2レースが放送された。
秋競馬の「本格開幕」を告げるレースとして重要な一戦。
ただ「いよいよ秋競馬だ!」とファンが大いに盛り上がる中、それに明らかに水を差すような出来事が起こってしまった。
それは『みんなのKEIBA』の放送中。オールカマーの「レース中」であった。当然ながら映像はオールカマーのレース中継を流していたが、最後の直線、ゴールドアクターが満を持して先頭をうかがおうとした瞬間である。
さあこれから!というところで、突然画面が「スタジオ」に。一瞬、視聴者は何が起こったのか理解できなかったところだろう。レース映像が突然、同番組のMCである佐野瑞樹アナウンサーと竹内友佳アナウンサーの姿に切り替わったのだから。
スタジオの映像は約2秒ほどで終わり、即レース映像に戻る。レースはサトノノブレスとゴールドアクターの壮絶な叩き合いが映っていた。ゴールドアクターが最後見事に競り落とし勝利したものの、視聴者の気持ちは別にあったのではないか。
映像自体が誤って切り替わってしまった、しかも大事なレース中に。この時点でかなり「やってしまった」感があるが、何事も完璧というものはないので、そこを責めまくるつもりはない。愕然としたのは、スタジオ映像に映ったアナウンサー2人の「姿」である。
スタジオが暑いのかどうなのか、2人は揃って競馬新聞か原稿か何かで顔を「仰いでいた」。仰いでいたこと自体に問題はないが、今この瞬間、もっとも盛り上がるべき最後の直線にレースが向かっているというのに、2人ともまったく「レースを見ていない」ように映っている。
オールカマーといえば、古馬戦線における重要なレースで、今年はグランプリホース2頭も出走ということもあり大きな注目を集めていた。無論、興味のあるなしというのは人の勝手であるが、仮にも「競馬番組」を放送していてレースにまったく興味を示さないような姿というのはどうなのだろうか。
以前よりフジテレビの競馬中継は「ミーハーなだけ」「つまらない」「グリーンチャンネル見る」と酷評されいるが、その理由の一端が見えたような気がした瞬間だった。
10月2日には仏G1・凱旋門賞の中継も行うフジテレビだが、ますます不安が増幅しそうな雰囲気である。当日無料放送のグリーンチャンネルに流れる人の増加は避けられそうにない。