“オネエタレント”が芸能界に浸透してきたからこそ起こる問題も多い。女装しているマツコ・デラックスやはるな愛、見た目は男性だが口調が女性っぽい植松晃士や小椋ケンイチ、最近では男性にも女性にも見せる超中性的なゆしんやGENKINGなど、一般的には総称してオネエタレントと呼ばれているが、それぞれにこだわりがあるようだ。



 マツコと同じく女装家を名乗るミッツ・マングローブは、徳光和夫の甥っ子ということもあり、他のオネエタレントと一線を画すかたちで話題を集めたが、“歌謡曲オタク”でもあるミッツは、もともと歌手志望。現在はコメンテーターなど文化人としての活動が多いが、先日、ある会見で“ビジネス・オネエ”を匂わせる発言をしたという。

 無料チラシアプリ「shufoo!」の15周年キャンペーンでイメージキャラクターを務めるミッツは11月22日、会見で披露されたインターネット動画について「男の主夫姿が見物ですぅ」とアピール。そして、「男に戻ろうと思ったら、今すぐにでも戻れます。私、はるな愛やKABA.ちゃんみたいにイジってないから。全部揃っているんで」と手術はしていないことを強調した。
現場にいたテレビ局関係者は言う。

「さらに、『でも男でやって、需要があるかしら~』と発言しました。仕事をもらうためには男のままだと芸能界でのニーズはない、女装しているからこそタレントとしてさまざまなところで起用してもらえている、という主旨に聞こえました」

 このミッツのビジネス・オネエ説を裏付ける証言もある。マツコとミッツ、楽しんごのインタビュー取材をしたことがあるという週刊誌の男性編集者は言う。

「一番怖かったのはマツコさんです。取材の場で『かわいいわね~』などと言いながらボディータッチが多いので、ドキドキしましたね。
楽しんごの場合は、非常に礼儀正しい方なのですが、お渡しした名刺に書いてある私の携帯番号に後日電話がかかってきたりして、ちょっと怖かったです。でも、ミッツさんの場合は“オネエというプロ”に徹しているというか、セクハラまがいな行為は一切なく、『あくまで仕事のためと割り切って、オネエを演じているのだな』と感じました」

●「需要」の意味

 そんなミッツの言う「オネエへのニーズ」について、女装が好きな一般男性、美佳さん(仮名)はこう解説する。

「私は身長も低くて、ゴツゴツしていて顔も純和風でいまいちパッとしない。もちろん女性にはモテないし、有名私立大学を卒業したものの、職場ではそれぐらいの学歴は当たり前なので、人からチヤホヤされる生活は程遠かったのです。でも女装したら、小柄でぽっちゃりしているところが受けて、オジさんたちには普通の女の子のようにチヤホヤされて、そうなったらもっとキレイになりたくて……。性転換手術することに比べれば、美容整形ぐらいどうってことはありません。
私は女装して人生が大きく変わりました。ミッツさんが言う“需要”の意味は、すごくわかりますよ。仕事の需要はもちろん、社会的な需要という意味も含まれているんじゃないですか」

 ミッツの投げかけた一言の意味は、意外にも深いようだ。
(文=編集部)