お笑いタレント・井上裕介(NON STYLE)が、12月11日に東京・世田谷区で乗用車を運転中にタクシーと衝突し、現場から逃走していたことが発覚した。タクシー運転手は全治2週間程度のケガを負っているが、井上は警察の調べに対し「事故を起こしたことが世間に知られたら、大変なことになると思った」などと話しているという。



「所属事務所のよしもとクリエイティブ・エージェンシーも13日、井上の芸能活動を当面自粛させる方針を発表しました。今後はまず、被害者への謝罪などを優先するそうです」(マスコミ関係者)

 売れっ子芸人なだけに、よしもとは井上の穴埋めや、年末年始の特番の出演キャンセル、すでに収録を終えた番組の差し替えなど対応に追われているという。

「このようにタレントが起こした交通事故は、被害者だけでなく各方面に余波を広げます。たとえば、2001年にSMAPの稲垣吾郎が逮捕された件は、世間にも大きな衝撃を与えました。稲垣は同年8月、レンタルビデオの返却のために渋谷区・道玄坂の駐車禁止エリアに車を止めていたところ、女性警官から免許証の提示を求められました。しかし、稲垣はこれに応じずに車を急発進させたことで女性警官の膝に接触し、全治5日のケガを負わせたのです」(週刊誌記者)

 稲垣はその後も車に“籠城”していたが、30分ほどしてようやく車外へ。結局、道路交通法違反および公務執行妨害の容疑で現行犯逮捕された。

「当時、SMAPは全国ツアーの真っ最中でしたが、稲垣の逮捕によって、以降の公演は残りのメンバー4人で行うことに。また、稲垣は02年1月まで約5カ月間の活動自粛処分となったため、逮捕された年末の『NHK紅白歌合戦』の出場も辞退することになりました」(同)

 あれから15年経ち、まもなく解散の時を迎えるSMAPだが、国民的アイドルが起こした事件が、井上の事件によって多くの人々の頭の中に呼び起こされた格好になった。

●過去にはあのタレントも

 また、過去には井上と同じ芸人の交通事故もあった。

「07年、キャイ~ンのウド鈴木がフジテレビ本社前の交差点で、対向車線を走っていた50代女性の車と衝突しました。この女性は当初、ウド側が信号無視をしたと主張していたのですが、のちに自身の前方不注意だったことを認めました。
また、事故発生直後の現場をフジのカメラが中継した際、ウドが女性の運転席に駆け付けて謝罪する姿を放送していました。そのため、ウドの誠意が業界内外に伝わりました。一方、今回の井上の事故をめぐっては、『ウドは被害者だったのに謝罪している。それに比べて加害者なのに逃げた井上は最低』といった意見もインターネット上ではみられます」(同)

 では、過去に井上と同様に加害者側となったタレントはいるのであろうか。

「広末涼子が10年3月に東京・世田谷区で追突事故を起こしており、彼女の前方不注意だったと報じられました。この時、広末は長男の通う幼稚園に向かう途中だったといいますが、自ら『ぶつけてしまいました』と110番通報しています。被害者にケガはなく、広末が所属事務所を通じて『今回のことを肝に銘じ、運転には細心の注意を払いたい』とコメントを出したこともあり、大騒ぎになることもありませんでした。井上も、こうした真摯な対応ができていれば、事態は違ったかもしれません」(スポーツ紙記者)

 ただ、事故後にきちんと対応しなければならないのは当然のこと。そもそも交通事故を起こせば、取り返しのつかない事態を招く可能性もある。

「元フジテレビアナウンサーの千野志麻は、13年に静岡県沼津市のホテルの駐車場で男性をはねて死亡させてしまいました。その影響か、事故以降には公の場に出ていません」(前出・週刊誌記者)

 自身の生活が一変するだけではなく、被害者の命を奪ってしまうことにもなりかねない交通事故。車を運転する際は、十分な注意が必要だ。

(文=編集部)

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