男性なら誰にでもある「女性にモテたい」という願望。ミュージシャンや芸人のなかには「モテたい」との一心で成功する人も多く、たとえ彼女や妻がいても、何歳になっても「モテたい」という願望を持ち続けている男性は多いはずだ。
一方で、世の中には「モテる男」と「モテない男」が存在するのも事実。しかも、やっかいなことに両者の違いは見た目ではわかりづらい。イケメンなのにモテない男性がいたり、逆に見た目は普通以下なのに女性関係が途切れない男性がいたりするのだ。
容姿だけが決め手でないなら、「モテる男」と「モテない男」の違いはどこにあるのか。「一言でいえば、両者の違いは『自分の人生を生きているかどうか』、それに尽きます」。そう語るのは、『「モテる男」と「嫌われる男」の習慣』(明日香出版社)の著者の今井翔さんである。
●「モテない男」の悲しい共通点とは?
名前からして「モテる男」感がプンプン漂う今井さんは、恋愛・パートナーシップの専門家として活躍中。個人コンサルティングや講演会で飛び回る一方、クライアントのパートナーを半年以内に見つけて入籍まで導くなど、多くの恋愛テクニックを持っている。
「どのようなビジョンであれ、モテる男は『自分の人生を生きている』。それは、代わりのいない、その人自身の生き方を表現しているということ。誰でも、オリジナリティを感じさせる人には惹かれるものです」(今井さん)
こう聞いても、なかなか理解しづらいという人もいるだろう。それなら、逆に「モテない男」の特徴を知れば納得できるかもしれない。
「まず、外見からいうと、男性ファッション誌ばかりを読み、自分に似合わない服を着て、愛想笑いばかりしているような男性です」(同)
この言葉で女性の筆者がイメージするのは、個性がなく、常に不安げに周囲をキョロキョロと見回し、無理してテンションを上げて似たような友人と群れる、いわゆる“キョロ充”と呼ばれるような男性だ。
そこには、自分の人生を生きていないがゆえに「モテない男」となってしまった悲しい男性像が浮かび上がってくる。
「学生時代はなんとかなっても、社会に出ると男性を審査する女性の目がますます厳しくなります。休日にデートしたとき、男性ファッション誌に載っている格好をコピーしたような服装で現れ、しかも、それが自分のキャラや魅力を分析できていないためにまったく似合っていない……。いくら精一杯おしゃれしたとしても、女性はその“付け焼き刃”感を簡単に見抜きます」(同)
女性に「好きな男性のファッションは?」と聞くと、「その人に似合っていればいい」と返ってくることが多い。確かに、いくらアイテム自体がかっこよくても、その人に似合っていなければ魅力的とは感じないものだ。
●なぜ愛想笑いをする男は嫌われる?
では、「モテない男」が「モテる男」になるためには、具体的にどんなルックスを目指せばいいのだろうか。
「まずは、女性ファッション誌を読んでみてください。特に、落としたい女性がいる場合は、その女性が読んでいそうな雑誌を熟読する。そこには、ときに相手役として男性モデルが写っています。女性ファッション誌に登場するような男性こそが、女性の望む男性像に近い場合が多いんです」(同)
その際に気をつける必要があるのは、繰り返しになるが、「アイテムのかっこよさ」よりも「自分に似合うかどうか」。
ちなみに、恋愛マニュアル本などで、よく「とにかく笑顔で!」といった記述を目にするが、今井さんは「無理に笑う必要はありません」とアドバイスする。
「笑顔は他人を安心させるものですが、“つくり笑顔”は自分だけではなく、他人も疲れさせます。愛想笑いをするぐらいなら、笑わなくたっていいんですよ。むしろ、自分の感情を大切にするほうが周囲にもその人の自信を感じさせ、魅力的に見えるはずです」(同)
女性に比べて、男性は圧倒的に愛想笑いが下手だ。確かに、「そんな愛想笑いを連発されるぐらいなら、真顔でいてくれたほうがまし」と思うことがよくある。
加えて、愛想笑いよりも真顔のほうが本音も見えやすい。女性に限らず、人は本心がわかりにくい相手には警戒心を持つもの。恋愛マニュアル本を真に受けて、デート中に愛想笑いをするのはやめたほうがよさそうだ。
●「モテる男」はなんでもない日にサプライズする
女性とのデートでわかる「モテる男」「モテない男」の違いは、ファッションだけではない。ほかにも、明確な差があるという。
「それはスマホです。
たとえば、食事は目の前の料理の彩りなどを共有したり相手との会話を楽しんだりすることも重要だ。また、仕事が忙しいからといってデートを面倒くさがったり後回しにしたりするのも、「モテない男」の特徴だという。
「モテる男性は忙しさを言い訳にせず、むしろ忙しいときこそデートを楽しみます。意識的に女性との時間をつくる。その余裕が魅力になるんです」(同)
さらに「モテない男」がやってしまいがちなのがサプライズだ。恋愛マニュアル本には「女性はサプライズが大好き! 記念日や誕生日にはサプライズを」と書かれているが、今井さんは「ドヤ顔でやることじゃない」と話す。
「モテたいと思うなら、記念日にプレゼントを贈るのは当たり前。なんでもない日にサプライズができるからこそ、モテるのです。別に高価なプレゼントじゃなくてもいい。本当にちょっとしたことでいいので、なんでもない日に相手を楽しませようとする。
女性なら、ある程度の年齢になると記念日や誕生日のサプライズのひとつやふたつは経験済み。もちろん、うれしくないわけではないが、驚いたように見せながら、あとで「予想していた」とこっそり打ち明ける女性も多いのだ。
●「モテる男」は相手の女性の心を鷲掴みできる
とはいえ、これまでの話を聞く限り、「モテる男は自分の人生を生きている」というより、女性に合わせてばかりで振り回されているようにも思えるが……。
「矛盾しているように感じるかもしれませんが、モテる男性というのは相手の心にフォーカスしている。女性の気持ちを正確に想像できるから、うまく相手の心を鷲掴みすることができるんです」(同)
たとえば、「気遣い」はモテの定石とされているが、相手の気持ちがわからなければ気遣うタイミングもつかめない。その点、モテる男性は、女性が今どんな状態で何を求めているかを常に想像している。
そして、自分自身のこともよく理解し、自信を持って相手に接して喜ばせる。それが、結果的に「モテる男」につながるようだ。
女性の筆者から見てもなかなかハードルが高そうに思えるが、まずは女性ファッション誌を大研究するところから始めてみてはいかがだろうか。
(文=藤野ゆり/清談社)