今年5月にリリースされたAKB48のシングル『Teacher Teacher』が売り上げ300万枚を達成した。しかし、記録的な売り上げ枚数にもかかわらず、楽曲の認知度が極めて低いと話題になっている。



 グループにとって52枚目のシングルとなる同曲は、「AKB48のリーサルウエポン」「2万人に1人の美少女」など多くの異名を持つスーパールーキー・小栗有以がセンターを担当している。K-POPを連想させるダンサブルなリズムが特徴的で、ライトの光をふんだんに使ったMV(ミュージックビデオ)では、脚をあらわにした衣装姿のメンバーが登場している。

 日本レコード協会が7月10日に発表した「ゴールドディスク認定」によると、同曲の売り上げ枚数はリリースからわずかひと月足らずでトリプルミリオン(300万枚)に到達。シングル曲のトリプルミリオン作品は、1999年発売の『だんご3兄弟』(速水けんたろう、茂森あゆみ/ひまわりキッズ)と2003年にリリースされた『世界に一つだけの花』(SMAP)以来で、3枚目の快挙となった。昨今は10万枚を売り上げる作品すら少数になっているほど不況の音楽業界だが、AKB48は3月発売のシングル『ジャーバージャ』でもミリオン(100万枚)を達成している。

 しかし、インターネット上では、この報道を受けて「Teacher Teacherって何?」「本当にトリプルミリオンなの? 全然知らない」「曲名を聞いても歌詞やメロディーがまったく浮かんでこない」といった声が続出。『だんご3兄弟』や『世界に一つだけの花』と比べて、知名度があまりに低すぎるという指摘も相次いでおり、売り上げ枚数と世間の認知度が比例していないようだ。

『Teacher Teacher』は、「初回限定盤」と「通常盤」がそれぞれタイプA~Dの4つに分かれた計8枚がリリースされ、イベント参加券などの封入特典がそれぞれ異なっている。そのため、「また特典目当てで全部買わせる“AKB商法”」「全種類買った後でCDが大量に捨てられるコース」と揶揄する声も見られるが、特に今回は全CDに付属されていた「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」の投票シリアルカードを目当てに購入したファンが多いようだ。

 総選挙といえば、シングル楽曲を歌うメンバーがファンの投票によって決められる一大イベントだ。6月16日に開票結果が発表された今回の総選挙は、節目となる10回目の選挙で、海外の48グループにも立候補できる権利が与えられた。規模がグッと拡大したこともあってか、総投票数は歴代最多の383万6652票を記録。
過去最多だった昨年の投票数を45万票以上も上回っており、ファンの熱意がうかがえる結果となった。

 トリプルミリオンを達成した過去の2曲は、社会的なブームを巻き起こした。今回、歴史的な売り上げを樹立した『Teacher Teacher』も、“時代を象徴する楽曲”として広く定着できるのだろうか。
(文=編集部)

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