一流のビジネスパーソンが疲れたときこそジムに行く理由…「最高の脱力」で疲労を回復

 忙しい毎日を送るビジネスパーソンのなかには、「疲れた」「眠い」が口癖のようになっている人も多いことだろう。疲れがたまると仕事のパフォーマンスが低下し、表情にも疲れが出れば、取引先などに悪印象を与えてしまう。

 そんなときは「体を休めるのが一番」と思うかもしれないが、最近は疲労回復の方法も進化している。なかでも効果的なのが、「ジムで体を動かすこと」だという。

 なぜ、疲れているのにジムなのか。疲労回復に特化した「ZERO GYM」のプログラムディレクターでプロボディデザイナーの松尾伊津香さんに話を聞いた。

●体より脳が疲れているから、うまく眠れない

「なぜ疲労回復のためにジムで体を疲れさせるのかというと、その根底には『睡眠の質を上げる』という目的があります」(松尾さん)

 疲れているはずなのに、なぜかよく眠れない。そんな経験をしたことはないだろうか。松尾さんによれば、その原因は「体が疲れていないから」だという。

 実は、デスクワークがメインのビジネスパーソンは「体」ではなく「脳」が疲れているケースが多い。特に「いくら寝ても疲れがとれない」という悩みを持つ人は、体ではなく脳が疲れている可能性が高いのだ。脳を休めるには、質の高い睡眠をとる必要がある。では、どうすればいいか。

「日中にたくさん遊んだ子どもがぐっすり眠るように、身体的な疲労は夜の睡眠の質を上げるのにすごく効果的。だからこそ、疲れを感じたときはジムで体を動かすことをおすすめします。そう聞いても躊躇する人もいるかもしれませんが、疲労回復プログラムは体に適切な疲労を与えて全身の血流をよくする効果があるので、心配はいりません」(同)

 ただし、疲労回復プログラムの目的は単に体を疲れさせることではないという。その最終目的は、心身の疲れをすべてリセットする「最高の脱力」だ。

●4段階で「最高の脱力」へ

 まず、疲労回復プログラムの具体的な内容を説明しよう。プログラムは「ほぐす」「流す」「緩める」「抜く」という4つの段階に分かれている。

「第1段階はストレッチ。体のこわばっている部分をほぐし、動きやすい体をつくっていきます。そして、第2段階が血流を良くする自重トレーニングです」(同)

 自重トレーニングとは、自分の体重によって負荷をかけて行うトレーニングのこと。腕立て伏せやスクワットをイメージするとわかりやすい。

「体に適度な疲労感を与えるためのトレーニングなので、わりとハードに感じるかもしれません。でも、それぞれの限界までがんばっていただくので、『筋肉を使っている』ということを、すごく実感できると思います」(同)

 実は、この自重トレーニングが「最高の脱力」を体験するための重要な仕掛けになっているという。

 たとえば、100mを全力で走ると、走ることに集中するため、ほかのことを考えなくなる。同様に、筋肉に負荷のかかる自重トレーニングを行うことで、自分の体のこと以外は考えられない状態になるのだ。

「普通の状態の人に『リラックスしてください』と言っても、うまく力を抜くのは難しい。でも、急激に体を動かして疲れさせると、うまくリラックス状態に持っていくことができます。そして『あぁ、疲れた』という瞬間を利用し、第3段階のマインドフルネスにつなげていきます」(同)

 マインドフルネスとは、一言で言えば“心のエクササイズ”だ。瞑想などによって頭のなかをクリアにし、心を整えることで、ストレス解消や集中力の向上に効果があるとされている。4~5年前からシリコンバレーなどアメリカのビジネスパーソンの間で注目されるようになり、アップルやグーグル、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどの大企業が取り入れていることでも有名だ。

 ジムを訪れる人のなかには、この「マインドフルネスを試したい」という目的の人もいるという。

「自分で調べてマインドフルネスをやってみたけど、そのやり方が正しいかどうかわからないという人が多いですね。確かに自己流では難しいですが、インストラクターの誘導があれば自然にできます。静寂のなかで、頭のなかを空っぽにしていきます」(同)

 体を疲れさせ、マインドフルネスで頭のなかをクリアにしたら、いよいよ第4段階の「抜く」に移る。つまり、「最高の脱力」である。

●「ここはどこだっけ?」という感覚に

 脱力の方法は、きわめて簡単だ。照明を落として暗くなった部屋でマットの上に寝転がり、静寂に包まれながら、すべての感覚を休ませて体を弛緩させる。

 一見すると寝ているだけのようだが、その感覚は「寝る」というよりも、むしろ「意識を失う」に近いものだという。

「もう一度繰り返しますが、現代人の疲れは体ではなく脳からきています。スマートフォンやパソコンを日々使うことで、自分でも気づかないうちに疲れがたまっていくんです。脳のプレッシャーを取り払い、すべてを休んでいただくと、海の上でふわふわ浮いている感覚になる。それがリセットです。脱力から目覚めたときは『ここはどこだっけ?』という感覚になるでしょう」(同)

 これでプログラムは終了する。まさに、現代人の心と体の疲労を取り除くためだけに考えられた内容といえる。

 中高年には、疲労回復のためにマッサージに行く人も多い。しかし、マッサージは筋肉を弛緩させることがメインのため、日常的に体を動かす人には効果があるが、デスクワーク中心の人の疲労回復にはあまり向かないという。

 まず筋肉を動かし、その上で緩めるという動作を行うことで、疲れにくい体になっていくのだ。疲労回復でコンディションを整えることは、仕事のパフォーマンスを上げるための重要な要素だ。「体のメンテナンスを後回しにしていると、中高年になってから自分が困ることになる」と松尾さんは言う。

「40~50代の人は、今のうちに体を動かしておかないと数年後には本格的に体が動かなくなっている可能性が高いです。ジムに来て体を動かすビジネスパーソンには、『時間が空いたから来る』というより『仕事のタスクのひとつ』と考えている人が多い。体のメンテナンスを仕事として考える時代なのだと思います」(同)

 もし、あなたが「疲れた」と感じているなら、試しにジムで体を動かし、頭のなかを空っぽにして脱力してみてはどうだろうか。きっと、すっきりした気分になって仕事がはかどるに違いない。
(文=中村未来/清談社)

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