年内で芸能活動を引退する滝沢秀明が12月19日放送のバラエティ番組『TOKIOカケル』(フジテレビ系)に出演した。
番組では、冒頭からサスペンス調の音楽で滝沢が引退およびプロデュース業に専念することを伝えるFAXを紹介。
そして、TOKIOのメンバーからひとりずつ「最後だからこそ聞きたい質問」が投げかけられた。国分太一からの「タッキーって名前なくなるの?」には「僕はどっちでもいい」「タッキーって言いたい方は言ってもらってもいい」と答えた滝沢。「振り向いてくれます? タッキーって僕らが呼んでも」という国分の問いに「もちろんです!」と返すも、松岡昌宏が「振り向いてくれなかったらぶっ飛ばすよ」と茶化すと「怖えぇ」と笑う一幕もあった。
さらに、「これまでの功績を振り返る」として、滝沢の半生がVTRで紹介される。0歳のときの写真では、「生後8カ月にして、その愛くるしい笑顔からは、どこかスター性をのぞかせています」とナレーションが入り、7歳のときに遊園地らしき場所で馬の遊具に乗っている写真には「白馬を操り、王子様への道を歩み始めます」、兄弟3人で写っている写真では「整った前髪のライン、そしてこのツヤからは美少年の気品を感じさせます」と礼賛するような紹介が続く。小学5年生のときの写真として騎馬戦の大将を務める様子が映し出されたが、このときも「ちょっとワイルドな王子様スマイル」と、過剰なまでに滝沢を持ち上げるような演出が続いた。
その後、滝沢は13歳でジャニーズ事務所に入所し「栄光の階段を上り始め」、入所から半年で連続ドラマ初出演・初主演を飾る。17歳のときにジャニーズ大運動会のリレーでアンカーを務めた際の様子も紹介されたが、このときも「見事な快走! アスリートばりの身体能力を披露」と絶賛されていた。
同じ頃、「さらなる高みを目指し」大好きなプロレスの舞台でアントニオ猪木と対戦して勝利した滝沢。国分からの「(対戦は)どうやって決まったの?」という質問に「ジャニーさんと力道山さんがもともとお友達だったみたいで、その流れで『ユー、プロレス好きだよね?』みたいな」と舞台裏を明かし、松岡が「もう俺たちの雲の上の話だよ」とあきれていた。
かねて滝沢はジャニー喜多川社長の“お気に入り”であることが知られているが、その結びつきの強さを示すようなエピソードといえる。
●松岡が脱帽したタッキーの“10年後”プラン
満を持して、2002年に20歳でタッキー&翼としてCDデビューを果たす滝沢。しかし、「自分の中ではいいスタートを切ったと思った?」という国分の問いに「いいかどうかはわからないですけども、イメージとはちょっと違いましたね」「なんか華々しい感じっていうのはあんまり感じなかった」と当時の心境を吐露した。
VTRは「幼少期より非凡なスター性を発揮し、若くしてジャニーズを牽引してきた」と締めくくられ、再びTOKIOメンバーからの質問に。
「本当の自分に戻れる時 いつ?」と聞く城島茂から「(プロデュースに専念することで)オンオフ関係なしにやっていくのはきついことだけど、覚悟はある?」と問われると、「当分は(スイッチを切らなくても)いいかなと思ってます」「ジャニーさんがそれまでやってきたと思うので、自分もやりたいなという気持ちが強い」と語り、以前から演出に興味があったことについても「ジャニーさんの近くでものがつくられていく姿を見ていたので」と、やはりジャニー社長の名を挙げた。
番組は、その後も滝沢の功績を伝え続ける。23歳のとき、時代劇ライブミュージカル『滝沢演舞城』の公演で新橋演舞場史上最年少座長となり、28歳で主演・演出を務める『滝沢歌舞伎』がスタート、公演回数はすでに700回を超えるという。そして、来年からは滝沢が演出に専念する『滝沢歌舞伎ZERO』として「さらに進化し続ける」こともしっかり宣伝された。
プロデューサーとしての滝沢の構想が垣間見えたのが、松岡から「10年後何してる?」という質問を受けたときだ。滝沢が10代のときは、のちの嵐、NEWS、関ジャニ∞のメンバーらがジャニーズジュニアとして活躍しており、いわばジュニアの黄金期であった。そのため、「ジュニアの黄金期って呼ばれていた時代が、僕にとってものすごくいい風景に見えていた」「10年までの間に、ジュニアの黄金期をもう一度僕はつくりたいっていう思いが、すごく今は強い」と語ったのだ。
この答えに、松岡は「ここがプロデューサーで、俺は『お前の10年後』って聞いたんですよ。なのに、今ヤツの答えは彼ら(ジュニア)の10年後なんですよ」と脱帽。
さらに、「それをつくらないと、今回の決断の意味がない」と語る滝沢に、松岡が「これから後輩だけじゃなく先輩もプロデュースできたらしてくれるわけでしょ?」「頭下げるからなんとかしてくれ、お願いだから」と懇願する場面も。
番組の終盤では、TOKIOからの「最後のメッセージ」が滝沢に贈られたが、ここでも国分が「時間があれば、私のダメ出しもしてもらえるとうれしい」と後輩にすり寄るような姿勢を見せて笑いを誘う。
さらに、城島茂は楽屋でしたためたという手紙を朗読、「『ダイヤはダイヤでしか磨けない』これから滝沢秀明さんがどんな原石を見つけ、どう輝かせていくか、楽しみで仕方ない自分がいます」とエールを贈った。
●「もはや権力者」「今井翼の話はスルー?」
インターネット上では「タッキーのヒストリーがよくわかった」「プロデュース業に対する熱い思いが伝わってきた」「TOKIOの熱いエールに感動」との声があがる一方で、「盟友だったはずの今井翼の話は完全スルー? 持ち上げるだけ持ち上げといて、都合の悪いことはダンマリか」「まるでタッキーのプロモーション番組」「半分ギャグだろうけど、TOKIOメンバーにすり寄るような言動が多く、もはやタッキーが権力者にしか見えなかった」などという指摘も見られる。
「番組の最後には花束が贈呈され、TOKIOのメンバー一人ひとりと記念写真が撮られたほか、『23年間素敵な思い出をありがとう』とナレーションが入るなど、確かに異例の“好待遇”が目につきました。滝沢は15日放送の『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)にも出演しており、28日には『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)に登場します。不仲説が取り沙汰される中居と何を語るのかが注目されますが、引退直前にジャニーズの息がかかった番組を回ってプロデューサー・滝沢のプロモーションをしようという意図が見え見え。突然のタキツバ解散と引退宣言、さらには実質的な大出世で、一時は悪者になりかけましたからね。
滝沢はジャニーズが新たに設立するタレント養成所のトップを務めることが確実視されています。また、完全に表舞台から身を引くことで実質的にジャニー社長の後継者となり、事務所内の序列1位に躍り出たともいわれるほど。本人は経営陣入りを否定していますが、事実上の幹部になるという見方が大半です。
いずれにせよ、今後は滝沢のプロデューサーとしての手腕が問われそうだ。
(文=編集部)