人気ミュージシャンで電気グルーヴのメンバー、ピエール瀧は12日、麻薬取締法違反の疑いで関東信越厚生局麻薬取締部に逮捕された。報道によれば、尿検査でコカインの陽性反応が検出され、ピエールは取り調べに対して「間違いありません」と容疑を認めているという。
ピエールは俳優としても活躍しており、現在放送中のNHK大河ドラマ『いだてん』や『人生最高レストラン』(TBS系)をはじめ、複数のレギュラー番組に出演中。過去にも大ヒットしたNHK連続テレビ小説『あまちゃん』や連続テレビドラマ『陸王』(同)、北野武監督映画『アウトレイジ 最終章』など多数のドラマや映画に出演し、日本アカデミー賞優秀助演男優賞歴もある。
逮捕翌日の13日には、ピエールがレギュラー出演する番組のHPが続々と削除され、住宅設備大手LIXILはピエールが出演するCMの放送中止を発表するなど、早くも影響が各所に広がっている。
「ピエールとともに電気グルーヴを組む石野卓球が過去に、クラブでのドラッグ使用について擁護的な発言をしたということで、20年くらい前には一部で石野の使用を疑う声もあったようですが、結局逮捕されることはなく、そうした情報はガセだったということになります。ただ、過去にそういうことがあっただけに、逆に石野やピエールは現在は絶対にやっていないと思われていたので、今回の逮捕は意外でした」(音楽業界関係者)
では、ピエールはどのように違法薬物に出会ったのだろうか。
「電気グルーヴは海外のイベントやライブなどに出演する機会も多いですが、海外のクラブでは出演者も客も普通にドラッグを使用しているというか、“なくてはならないもの”になっている場所も少なくなく、どうしてもドラッグとの距離が近くなってしまう。そうした環境のなかで、ピエールが軽いノリで使用したのがきっかけで、常習するようになってしまったのかもしれません。さすがに今の日本では取り締まりもきついため、基本的にはクラブからドラッグは排除されていますが、海外ではいまだにクラブとドラッグが切っても切れない関係となっている地域もあります」(別の音楽業界関係者)
●違約金とは?
先月に俳優の新井浩文が逮捕された際、発生する違約金が5億円に上るとも報じられ、今回のピエールの逮捕をめぐっても違約金の問題が取り沙汰されている。
「テレビドラマやCMだと、所属事務所と制作元の間できちんと違約金の取り扱いについて定められているのかもしれませんが、映画に限っていえば、業界の人々に聞いても、みんな『よく、わからない』『契約には書いていないのでは』という感じで、曖昧になっているようです。
ただ、たとえばかつて俳優の高畑裕太が逮捕された際は、出演する映画が撮り直しとなり、数千万円ともいわれる費用を母親の高畑淳子が負担したようです。また、小出恵介が不祥事で活動休止となった際には、出演するネット配信ドラマの撮り直し費用を所属事務所が負担したといわれています。このように、契約書に明記がなくても、本人や関係者がなんらかのかたちで損害を負担し、それが広い意味で“違約金”ということになっているのかもしれませんね」(映画業界関係者)
今週末の日曜日にはピエールが出演中のNHK大河『いだてん』が放送予定だが、ピエールが関係した仕事への影響は、まだ広がりそうだ。
(文=編集部)