4月30日の天皇陛下の退位、そして5月1日の皇太子さまの新天皇即位が、いよいよ目前に迫りつつある。その後、秋篠宮家は「皇嗣家」として新天皇皇后両陛下を支える存在となられる。



 新天皇即位後は、秋篠宮さまが皇位継承順位第1位、長男・悠仁さまが同第2位になられるが、4月21日付朝日新聞は1面で秋篠宮さまが「兄が80歳のとき、私は70代半ば。それからはできないです」と発言なされたと報道。さらに同紙によれば、「天皇になることを強く意識している」という皇室研究者の見方について、秋篠宮さまが「そんなこと思ったことがない」と打ち消されたという。

 皇太子さまと秋篠宮さまは5歳違いだが、この報道は大きな波紋を呼び、さまざまな観測が広まっている。ひとつはご発言どおりの「天皇即位拒否宣言」と受け取る見方と、もうひとつは「新天皇が早く退位され、自身が天皇に即位したい」というお気持ちの表れだと受け取る見方だ。

 たとえば、「女性セブン」(小学館/5月9日・16日合併号)と「週刊文春」(文藝春秋/5月2日・9日合併号)は、秋篠宮さまによる即位拒否だと報じる一方、「週刊新潮」(新潮社/5月2日・9日合併号)は、「早く天皇をやりたい」というご意思の表れだと報じている。ちなみに「新潮」によれば、秋篠宮さまは「継ぐことになるからには、できるだけ早くやりたい」「自分は短くてもいい。そのあとは早く悠仁に継がせたい」という趣旨の話をされておられるという。

 現在、天皇の孫世代の男子は秋篠宮さまの長男・悠仁さましかおらず、現行の皇室典範では、男子しか皇位を継ぐことはできない。もし悠仁さまに将来、男子が生まれなければ、皇位は断絶することになり、その意味でも秋篠宮家が背負われる責任は今後より重いものとなる。そんな秋篠宮家を1年以上にわたり揺るがせ続けているのが、長女・眞子さま小室圭さんの結婚問題である。小室家の借金問題に端を発する婚約延期は、一向に解決のメドがたたず、それによる秋篠宮家内部の断絶なども取り沙汰され世間の注目を浴びるなか、皇太子さまの長女・愛子さまを将来天皇に据える「愛子天皇待望論」まで飛び出す事態となっている。


 こうした動きと歩調を合わせるかのように、菅義偉官房長官は18日の参院予算委員会で、女性宮家の創設を含めた安定的な皇位継承に関する議論について「(新天皇が)即位された後、そんなに時間を待たないで(行う)と考えている」と述べている。

●秋篠宮さまの苦悩

 秋篠宮さまの即位拒否発言には、愛子天皇待望論を封じ込めようというご意図がおありなのではないか、という見方もある。

 前出「女性セブン」は、秋篠宮さまのご発言の狙いは「悠仁皇太子」の誕生だと指摘。もし仮に法律を改正して秋篠宮さまが皇位を辞退すれば、悠仁さまの皇位継承順位が繰り上がり、事実上の「悠仁皇太子」の誕生となる。同誌は宮内庁関係者の「秋篠宮家への逆風と愛子天皇への追い風を敏感に感じ取られ、できるだけ早く悠仁皇太子を既成事実化しようと試みたのかもしれません」という声を紹介している。果たして秋篠宮さまの真意は、どこにおありなのか。皇室に詳しい記者は語る。

「秋篠宮さまは昨年11月、誕生日に際して毎年恒例の記者会見を行われ、代替わりにともなう皇室行事『大嘗祭(だいじょうさい)』について公費の『宮廷費』から支出することに言及され、『宗教色が強いものについて、それを国費で賄うことが適当かどうか』『そのことは宮内庁長官などには、かなり私も言っている』『(宮内庁長官は)話を聞く耳を持たなかった』『そのことは、私は非常に残念なことだった』とご発言。これが宮内庁批判と受け取られました。

 また、2017年に天皇がビデオメッセージで生前退位のご意向を表明されましたが、以前から天皇は宮内庁にそのご意向を伝えており、秋篠宮さまもそのお考えに賛成されておられましたが、宮内庁はいっこうに議論を進めなかったため、天皇はビデオメッセージという手段に出られるほかなく、このときも秋篠宮さまは宮内庁への不信を深められました。

 これらの事例に限らず、宮内庁は皇族の意向をなかなか受け入れず前例踏襲を繰り返すばかりだと考えておられる秋篠宮さまは、宮内庁に対して良い心証を抱いておられないというのは、皇室周辺では知られた話です。

 加えて、皇族はお考えを宮内庁を通じてしか国民に示すことができず、自ら直接、国民にお考えを伝えられる手段がないことにも、秋篠宮さまはご不満を持たれておられるようです。
そのため、先日の朝日の即位拒否報道に限らず、たとえば昨年、秋篠宮ご夫妻が小室さん側に借金問題が解決しない限り『納采の儀』(一般の『結納』に当たる)が行えないと伝えたと朝日がスクープしましたが、折に触れて秋篠宮さまは自らのお考えを関係者を通じてマスコミへ示しておられるといわれています。いわばリークみたいなものです。

 今回も秋篠宮さまが、マスコミを通じて即位拒否の意向を世間に示されたとみられていますが、それがご自身のご長男の悠仁さまを天皇にするために、愛子天皇誕生の流れを止めることを目的とされておられるとは、到底考えられません。少なくとも秋篠宮さまは、皇位というものにそのような私情を挟まれるお方ではありません。

 以前から秋篠宮さまは『自分は皇太子としての教育を受けていない』という趣旨のご発言を周囲に漏らしておられ、さらには現皇太子さまと5歳しか離れていないという事実をふまえ、純粋に『現実問題として無理ですよ』とおっしゃられたのだと思います。そして、その前提で女性宮家創設や女性天皇即位を含めた皇室典範改正の議論を、きちんと進めてくださいよという、宮内庁と政治へのメッセージでしょう。

 もっとも、ここまで秋篠宮さまが思い詰められる状況になった背景には、やはり眞子さまと小室さんの結婚問題に端を発する、秋篠宮家への国民からの厳しい目が影響しているのは確かでしょう。いまだに借金問題を解決せず、さらには“皇族の婚約者”という肩書を利用して奨学金を得て留学している小室さんの存在が、秋篠宮家を苦しめていると私は思います」

 愛子さまもあと2年で成人になられる。政府の議論の方向性によっては、女性宮家創設の実現とともに、愛子天皇誕生の可能性も見えてくる。過去をさかのぼれば、1997年から政府では極秘に検討され、2004年の小泉純一郎首相時代に水面下で「女性天皇を容認」という方針を打ち出していたが、悠仁さまの誕生で断念したという経緯がある。

 現皇太子さまが新天皇に即位された後、「皇太子」という地位が不在になるという時代を迎えるなか、皇位継承問題はしばらく燻り続けそうだ。
(文=編集部)

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