「三宅一生『馬の手綱』を着た小夜子」 撮影:横須賀功光 1975年

今では、海外で活躍する日本人モデルも珍しくないですが、70、80年代に世界のモードを席巻したモデルがいたことをご存知でしょうか。

日本人女性の美を世界に発信

撮影:横木安良夫 1977年

1972年にファッションモデルとしてパリ・コレクションに参加して以来、圧倒的な存在感で瞬く間にトップモデルとなり、パリおよびニューヨーク・コレクションで活躍した山口小夜子さん。

撮影:下村一喜 2005年

その神秘的なアジアンビューティーは、1974年にはアメリカ、ニューズウィーク誌に「世界の4人のトップ・モデル」として紹介されたほど。

と同時に山口さんは、モデルのジャンルを超え、女優としても多数の舞台、映画に出演したり、ダンスカンパニーに参加したり、衣装デザインを行うなどマルチな活動をし、その才能を発揮。ファッション、映像、音楽、文学、舞踏など諸表現が融合するパフォーマンスを展開していきました。

残念ながら2007年に亡くなりましたが、その偉大さは今でも語り継がれています。

多方面から探る「山口小夜子」

生西康典+掛川康典 「H.I.S. Landscape」 (「六本木クロッシング」出品作品、森美術館、2004年)

モデルとしてだけではなく、クリエイターとしても多くのものを残した山口小夜子さんの軌跡を辿る展覧会「山口小夜子 未来を着る人」が4月11日(土)から東京都現代美術館で開催されます。

この展覧会は、ファッション写真やアート作品まで、被写体としての山口小夜子の魅力を紹介したり、パフォーマーとしての活動が高画質映像によって蘇ったりと、いかにして彼女ができ上がり、その後、内なる思いを作品を通して発表したのかを観ることができます。

結城座公演「ペレアスとメリザンド」舞台写真 1992年 

さらに、晩年、彼女とコラボレーションを行ったアーティストたちが、「小夜子に捧げる新作インスタレーション」を作り上げ、体感型の空間を展開します。

オリエンタルなメイクで小夜子になれる?

「資生堂 舞」 ポスター 撮影:横須賀功光 AD:中村誠 1978年

見るだけではなく、内側から小夜子を体感できるイベントとして「Be Sayoko! 小夜子になりたい!」も開催。

小夜子メイクを完成させたアーティスト、富川栄さんによるメーキャップ・ワークショップ&トークや彼女が習ったダンス・メソッドを体感するワークショップも行われます。

海外を真似するわけではなく、日本人が本来持つ美しさで

世界を魅了した山口小夜子さん。彼女がいなければ、その後の、日本人の美しさの定義も変わっていたかもしれません。今見てもどれも新鮮で、時代の最先端をいくものばかりです。

展覧会のタイトル通り、山口小夜子さんが、いつまでも「未来を着る人」でい続けていることを実感しますよ。

山口小夜子 未来を着る人
会期:2015年4月11日(土)~6月28日(日)
開館時間10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(5月4日は開館)、5月7日(木)
観覧料:一般1,200円、大学・専門学校生・65歳以上900円、中高生600円
小学生以下無料(保護者の同伴が必要です)
会場:東京都現代美術館 企画展示室B2F

(松崎桃子)

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