ところが、そんな彼女たちでさえ映画業界で年齢差別を受け、苦い思いをしているようです。海外サイト「Bustle」から、ハリウッドで現実にある年齢差別について告白した女優たちを紹介します。
アン・ハサウェイその美貌と確かな演技力でアカデミー賞も受賞したアン・ハサウェイ。現在32歳ですが、
インタビューで彼女は、「最近はもっと若い女優たちに役を取られる」と告白しています。
「Bustle」から翻訳引用
ついこの間まで、アンは『プラダを着た悪魔』で若いインターンの女性を演じていたにもかかわらず、32歳にして、もう「若くない女優」のレッテルを貼られているという現実。30代前半といえば、女性としても女優としても輝かしい素敵な年代だと思うのですが、映画界における女優へのジャッジは、一般社会以上に過酷なようです。
マドンナ鍛え上げられた肉体で若々しさをキープするマドンナ。常識をくつがえすパフォーマンスで世の中を驚かせてきた彼女は、年齢など超越しているかに見えます。
「女性だけが年齢で差別され、くだらないことを言われるのよ。男性は言われない。そういう意味では、私たちはまだひどく性差別的な社会に生きているということよ。」と指摘し、年齢を重ねた女性たちのために、もっと扉を開いていきたいと話しています。
「Bustle」から翻訳引用
8月で57歳になったマドンナ。
どの出演作でも、個性が光るマギー・ギレンホール。今年5月、インタビューでハリウッドの裏側にある年齢差別について赤裸々に告白し、話題になりました。
私は37歳なのだけど、最近、55歳の男性の恋人役には年寄りすぎるって言われたのよ。驚きだったわ。気分が悪くなって、怒りも感じたのだけど、それから何だか笑ってしまったの。
「Bustle」から翻訳引用
最後には笑ってしまったというのは、あまりの理不尽さにばかばかしくなったのでしょう。映画では、50代の男性のそばにいる女性は20代でなければいけないということでしょうか。
そういえば、昔のハリウッドのラブストーリーを見ると、女優にくらべて男性がひと回りどころか、ふた回り以上も年上が多いことに気づかされます。21世紀になっても、映画界ではいまだに古い考え方が根付いているようです。
エマ・トンプソンイギリスの知性派、エマ・トンプソンは映画界の年齢差別について、
まったくどうかしているわ。何年も前、私が35歳だったときに、相手役の男性を探しだすのは大変だって言われたけれど、その時からなにも変わっていない。
「Bustle」から翻訳引用
と話しています。
昔と違って3DやCG撮影、音響効果の技術も飛躍的に進化している映画界が、女優に対してはこんなに時代錯誤な年齢差別を平然と行っているとは、がっかりな現状です。しかも「さらに悪化している」という彼女の言葉から、いかに映画の現場が一般社会からは隔離された特殊な世界であるかを表している気がします。
メリル・ストリープメリル・ストリープは、40歳になったときのことを、「夫の方を向いて、どうしたらいいの? もう終わっちゃった、と言ったわ」と振り返ります。その年、彼女にオファーがあったのは、魔女の役ばかりだったのです。「子どもを産まない年齢になった女性は、グロテスクだと見なされてしまうのよ。」
「Bustle」から翻訳引用
名実ともに大物女優の彼女までもが、こんな目に遭っているのです。しかし、彼女は黙って落ち込んでいるタイプではありませんでした。
現在、メリル・ストリープはハリウッドの女性差別を改善するため、40歳以上の女性脚本家を支援するプロジェクトを主催しています。制作者が男性に独占されている限り、映画界の悪しき伝統が改善されることはないという強い思いがあるのでしょう。
もっと「大人の女性」が活躍する映画を元の顔がわからないほど、美容整形手術で顔が変わってしまった女優たちがメディアで話題になりますが、ハリウッドに根強く残る女性への年齢差別がいかにひどいかを知ると、女優たちの若さや美への強迫観念とプレッシャーも、無理もないという気がします。
上記の女優たちも大物スターとしてのプライドを考えれば、「年齢のせいで屈辱的な扱いを受けたことを、世間には黙っていたい」というのが本音でしょう。
影響力の大きいハリウッドが映画を通して流し続けるメッセージは、社会にも浸透していくもの。一観客としては、大人の女性が活躍する映画がもっと見たい、と強く思います。
[Bustle]
photo by Getty images
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