大人になると忘れてしまいがちなことのひとつ。それは、純粋に人を好きになる気持ち。
昔は、何も考えずに、恋する気持ちを持てたのに、歳を重ねるごとに、自分や相手の状況の方が先に気になってみたり、臆病になって気持ちを抑えてみたりしていませんか?

そんなあなたにおすすめしたいのは、40代独身男子のピュアな初恋を描いた6月18日公開の『好きにならずにいられない』。

アイスランドの空港で荷物係として働く43歳の大男フーシ。単調な毎日のなかで、唯一の趣味といえば、戦車や兵士の小さなフィギュアでジオラマを作ることだけだった。心優しいがシャイな性格がゆえに、女性経験ナシの独身。そんな息子を心配した母は、出会いのきっかけを作るため、誕生日プレゼントとしてダンススクールでのレッスンを申し込む。

乗り気ではなかったものの、しぶしぶ向かった教室で、小柄な女性のシェヴンと偶然出会う。フーシは、陽気な性格の彼女に惹かれていったが、実はシェヴンは心に大きな闇を抱えていた。そんな彼女を守るため、フーシは生まれて初めて自分の殻を破って、新たな世界へと踏み込んでいくのだった。フーシの初恋が迎える結末とは......?

結果を考えすぎずに、まずは自分の心に正直になる!

北欧諸国のひとつであるアイスランドは、豊かな自然が満喫できるとして人気の観光地。そんな島国から届いたのは、アイスランドに現れるオーロラのような優しい光を放ち、温かく心を照らしてくれる1本。2015年度の北欧映画No.1にも選ばれ、「フーシのような人が増えたなら、世界はもっと幸せになれるのに」と名匠フランシス・フォード・コッポラ監督からも絶賛されています。

見た目は冴えないかもしれないけれど、心の広さも体と同じく誰よりも大きいフーシ。

見返りを求めるわけでもなく、ただ好きな人のために何でもしてあげたいという姿に思わずキュンとしてしまう女性も続出。"恋のさじ加減"を知らないがゆえに、ときに行き過ぎた行動をしてしまうものの、大切な人を想う気持ちを止められないのは、いくつになっても、誰にとっても同じことなのです。

それにも関わらず、大人になると、傷つくことを恐れて恋から離れようとしてみたり、何かと言い訳をつけてはしばらく恋をお休みにしてしまいがち。そういう私自身も、「忙しくて時間がない」とか「出会いがない」とか「いまはそんな気分じゃない」とか理由をつけては、人を好きになることを後回しにしている今日このごろ。それだけに、恋に一直線で自分の気持ちに素直なフーシは、何よりもまぶしく写るのです。

うまくいかなくても、相手と向き合うことに意味がある!

人として成長し、魅力を磨くために必要なのは、やっぱり"恋のエッセンス"がいちばん。本作は、そんな当たり前のことを再認識させてくれること間違いなしです。ただし、甘いことばかりではなく、ほろ苦い経験がつきものなのも大人の恋愛。しかし、その"苦味"を知っているからこそ、次の恋の"甘味"をより感じられるものでもあるのです。

恋によって生まれ変わろうとするフーシを誰もが好きにならずにはいられないように、あなたも誰かを好きにならずにはいられないはず。色んなことに縛られがちな大人こそ、人を好きになることで、いままで知らなかった新たな扉を開けることが大切なのかもしれません。

あなたの背中もそっと押してくれるビターでスウィートな大人のための初恋物語。

"氷の国"アイスランド発の優しさと切なさがつまったラブストーリーは、あなたの心もきっと溶かしてくれるはずです。

シネマから学ぶ一言

―いくつになっても、恋は人を成長させるものであり、新たな恋に踏み出す小さな一歩は、人生にとって大きな一歩となる

『好きにならずにいられない』

監督・脚本:ダーグル・カウリ

出演:グンナル・ヨンソン、リムル・クリスチャンスドッティル、シガージョン・キャルタンソン、マーグレット・ヘルガ・ヨハンスドッティルなど

6月18日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー

配給・宣伝:マジックアワー

© Rasmus Videbæk

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