今回はその顛末をご紹介しよう。
正直いって、家にいるときのわたしは本当になにもかもが無頓着。
自宅のなかに事務所がある状態なので、一日中パジャマ姿で過ごすこともある。パジャマならまだましで、夏場はだいたい着倒したTシャツに某ファストブランドのステテコ的なボトムで、仕事して、食事して、ごろりんして、就寝している。
いま一緒に暮らしているパートナーをはじめ、歴代の夫や彼氏から必ず言われることが「ねえ、今日着替えた? 朝から同じパジャマだけど」。
「失敬な! 朝、シャワー浴びて、脱いだものを洗濯して、干したらあっという間に乾いて、夜それを着ているから、清潔そのものよ。洗い立ての香りがするでしょ!」とプンプンしてみせると、だいたいパートナーは「あ、そう......」と苦笑い。
「せっかくならば、ほかの素敵パジャマやTシャツを着ればいいのに」と自分でも思うのだが、お気に入りのクタクタ感のあるスタメン・パジャマにどうしても手が伸びてしまうのだ。そもそもわたしには「部屋着」という概念がない。外着orパジャマ。これしか持っていないのである。
男たちは、清潔なものに着替えたのかどうかを問いたいのではなかったのだと、頭ではわかっている。
ところが、やはり男のこの「モヤッ」に気づいてすぐに対応しないとダメなことは、何度も結婚と恋愛を失敗して、痛切に感じている。「彼から、異性として見てもらわなくても構わない」という状態を自ら作ってしまっていることを、早い段階で自覚しないといけなかった。これがセックスレスの種となるのだから。
わたしは、今回のパートナーとは生涯をともにする覚悟でいるので、「同じ轍は踏まない」とばかりに、先述のセクシー番長のアドバイスで、セクシーナイトウエアを新調した。
一着は、超ミニのベビードール。二着目はシルクのキャミソールと短パンのセットアップ。三着目は黒いスリップドレス。イメージはイタリアの宝石、モニカ・ベルッチが映画『マレーナ』で身につけていたものに近い。
で、試着してみたところ......。
姿見を前に「これって......大屋政子さん?」と愕然とした。大屋さんのことをご存知でない方がいらしたら、ぜひ検索してほしい。強烈な個性の愛され女性なのだが、やはり「セクシー」とはほど遠い。
ということで、セクシー演出は残り二着に託された。で、「いざ!」と着る機会を狙っているのだが、じつはわたしの癖で、「いざ!」という時は、真っ黒くろすけ女で登場し、着ているものをすぐ自分で脱いでしまう、という習慣があるので、彼にセクシーウエアを見せる場面がないのだ。
「じつはこういうのを着てたんだけど」とあとで見せると「気づかなかった!」と言われてしまうので、だんだんと「じゃあ、着なくてもいいんじゃないか」となっていて、いまに至っている。
そして、ここからが肝心。男友だちに「妻や彼女のナイトウエアについて」の追加取材をしたら、彼らがこんなことを口にしたのだ。
「いやあ......突然、長年つきあっている妻(または彼女)がセクシーなものを身につけてベッドに横たわっていたら、心底震えるわ......」と。
これは由々しき事態。
イラスト/藤田佳奈美
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