わたしたちにとって身近な存在であるラグジュアリー化粧品ブランド『ランコム』。美しいルージュやチークは胸を高鳴らせ、メイクアップの楽しさを教えてくれる。
スキンケアでは、エイジングケアにいそしむわたしたちにとって頼もしい存在。

その『ランコム』(日本ロレアル株式会社)が、東日本大震災以降、継続的に女性支援プログラムを実施していることをご存知でしょうか。多大な被害を受けた石巻で女性の自立をサポートする"Eyes for Future by ランコム(未来へ向けたまなざし)"です。

石巻で「やっぺす」。IKKOさんも駆けつける

"Eyes for Future by ランコム"は、東日本大震災の2011年当初、マスカラ1本の購入につき100円が復興支援金として寄付されるという活動からスタートしたもの。

2013年からは、民間企業(ランコム)、NPO法人(石巻復興支援ネットワーク「やっぺす」)、行政(石巻市)の3者が協働し、「女性が輝く、石巻が輝く」を目指して女性支援プログラムを開設。「やっぺす」とは石巻の言葉で「一緒にやりましょう」。垣根なき交流が生まれています。

プログラムの講座内容は、復興の状況と変化に応じて毎回刷新。地域の人々の要望が優先されているとのこと。たとえばパソコン、コミュニケーション、ビジネスに関する実践的な講座であったり、起業家のメンタリング、多彩なジャンルで活躍する講師を迎えたセミナー、ワークショップなど。視点は「地方」(地元)と「女性」。

これまでの4年間で100名以上が講座を修了してきました。

そして先の3月5日、2017年の"Eyes for Future by ランコム"開講式が行われ、スペシャルゲストに美容家IKKOさんも駆けつけました。

石巻から女性起業家を生み出す

地元に根ざしながらチャンスの幅を広げるーー。それを叶えるのが「起業」。2017年はグロービス経営大学院仙台校とのコラボレーションにより、クリティカル・シンキングとマーケティングの入門セミナーを実施。内容は、起業を目指す人に限らず、地域のためにリーダーシップを発揮したい女性にも役立つもの。

開講式では、石巻復興支援ネットワーク「やっぺす」代表・兼子佳恵さんが挨拶。「Eyes for Futureのプログラムの特徴は受講生同士の結束が生まれること。これは今後の大きな財産になります。みなさんの夢を実現するために起業を目指しましょう!」と受講生にエールを送りました。

続いてランコム事業部長・都築誠也さんが、プロジェクトへのブランドとしての意気込みを語ります。

講師代表として挨拶を述べたのは、株式会社KDDI ウェブコミュニケーションズ代表取締役副社長・高畑哲平さん。

「これから講座を受けるみなさんには"なぜ?"という気持ちを必ず持って欲しい」と、起業において疑問を抱く習慣づけをすることの重要性を伝えました。

IKKOさんが伝えるビジネスの原点

開講式後に行われたのは、IKKOさんによるトークセッション。カリスマ美容家でありながら、コスメや着物デザインなど商品開発を行い、音楽活動、書道家、プロデューサーの顔も持つIKKOさんは、いわば起業家の大先輩。

「起業するにあたり大切なことは情熱をもつだけではなく、相手の立場になって考えるということ。情熱を持ち合わせていても、相手がそれを望んでいなければ一方通行になってしまいビジネスとして成り立たない。そして、必ず原点に立ち戻り初心に立ち返ることを忘れないでほしい」(IKKOさん)

これからビジネスの世界へと羽ばたき、困難にぶちあたることもあるであろう受講生の胸に響くメッセージです。

13時にはじまった開講式は、特別公開トークショー、集合写真、懇親会をもって終了。新しい可能性に触れた女性たちの輝く瞳が印象的でした。

持続可能であること、各々が主体的であること。地域創生の鍵はそこにあります。段階を経て復興が進み、石巻から国内外へと飛躍する女性リーダーが続々と排出されていくのが楽しみです。

[Eyes for Future by ランコム]

文/カフェグローブ編集部

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