2024年6月26日のMASHING UPオンラインセミナーVol.11では、仕事と介護の両立支援プログラム「LCAT」などを展開する、チェンジウェーブグループ代表取締役副社長・COOの大隅聖子さんが登壇。ビジネスケアラーに関するリアルなデータと共に、企業の課題や有効な施策などを聞いた。
仕事と介護を両立する人の数は急増。企業が取り組むべき課題とは
この20年間で日本の80代人口は3倍以上に急増。高齢化が加速する社会におけるビジネスケアラーの現状を、大隅さんはこのように解説する。
「ビジネスケアラーの数は40代後半に著しく増えます。今や企業の正規労働者の46.3%は45歳以上で、ビジネスケアラーまたは予備軍であると言えます。また、ビジネスケアラーのうち、6人に1人は2人以上の要介護者を複数人ケアしていますし、子育てと介護が重なる「ダブルケアラー」は7人に1 人となっています」(大隅さん)
働く世代の多くにこの問題は迫っているが、その実態はあまり知られていない。リアルな課題にはどういったものがあるのか。
同社事業「LCAT」にて集めたユーザーデータにより見えた課題。「介護は誰もがいつか経験することである一方で、予期せぬタイミングで訪れることもあります。その時のために『準備ができているか』どうかによって、仕事に復帰できる日数は大きく変わってきます。
たとえば、親が怪我をした場合、退院後の介護をどう進めるのか。ケアマネージャーやヘルパーと事前に話し合いができているかなど、知識と体制づくりをしっかり行えば、仕事への影響や負担も軽減できます」(大隅さん)
介護休業や介護休暇制度の利用についても、理解が進んでいない可能性がある。自身の生活や介護の金銭問題、配偶者・上司などからの遠慮、さらには任されている業務への影響を心配し、「あえて」使わないという人もいるそうだ。
「ビジネスケアラーの介護時短利用率は4.0%、介護休暇利用率は4.8%(「LCAT」を利用している企業従業員の回答数2,555のうち)。まだ、介護の問題を第一課題として取り上げている会社は少なく、『言いづらい』、『理解されない』と思っている人が多いのです。 また、介護休業については、ご自身が介護するだけでなく、"仕事を続けるために『両立できる体制を整える』"という意識を持っていただけると良いのではと思います。一人で抱え込まず、制度やサービスを活用すること、職場の理解が進み、さらに働き方が変わることで、休業しなくても両立している方もいらっしゃいます。望まない介護離職を減らすことは、企業や個人にとって必要なのではないでしょうか……」
※当オンラインセミナーは終了しました。
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