WP image Victor Picon ©Cartier

2025年4月13日、日本国際博覧会(大阪・関西万博)にて、カルティエは内閣府、経済産業省、2025年⽇本国際博覧会協会と協働し、「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」を開催する。

「When women thrive, humanity thrives ~ともに生き、ともに輝く未来へ~」をコンセプトに掲げ、すべての人々が平等に生き、尊敬し合い、それぞれの能力を発揮できる社会の実現を目指し、女性たちの体験や視点を通じて、公平で持続可能な未来を提案することを目的としている。

3月8日国際女性デーに先駆けて、「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」の内観・体験コンテンツを発表するプレスカンファレンスとトークセッションを3月6日、在日フランス大使公邸にて開催した。

ジェンダー課題解決をめざすパビリオンに

建築デザインは永山祐子さん担当。ドバイ万博日本館のファサードを再利用して構成する。 © Cartier

2020年のドバイ万博で開催したウーマンズ パビリオンでは、過去から現在に至るまで世界中の女性たちが成し遂げた功績を紹介するとともに、女性活躍の課題や現状を提示し、ジェンダー平等の実現に向けて一人ひとりが力を合わせることの重要性を伝える枠組みを展開した。

2025年の大阪・関西万博での「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」では、ドバイの理念を受け継ぎつつ、日本独自の視点を取り入れたプログラムを予定している。国際的に見ても課題の多い日本の女性の社会進出やジェンダーギャップについて、来場者が考えるきっかけとなるような施設を目指している。

なかでも画期的な取り組みの1つが、ドバイ万博の日本館で話題となった建築家・永山祐子さんが手がけた組子ファサードの再利用だ。さらに、世界的に評価されているイギリス人現代美術家のエズ・デヴリンさんがグローバルアーティスティックリードを務め、人と人のつながりや団結を表現した没入感のあるアートを展開する予定だ。

エズ・デヴリンさんが手掛けるフロアでは、イマーシブオーディオを通じて体験する没入型展示空間が生み出される。 ©Es Devlin drawing photographed by Daniel Devlin ウーマンズ パビリオンの内観。オープニングでは映画監督の河瀬直美さんが制作した3人の主人公のショートフィルムが流れ、3つの入り口が登場する。それぞれの空間の中で、主人公が経験した人生ストーリーを体験することができる。 WP image Victor Picon ©Cartier​

「WAアドバイザー」らによるパネルディスカッション

3月6日に行われたプレスカンファレンス前半では、三原じゅん子内閣府特命担当大臣のメッセージや、カルティエ カルチャー&フィランソロピー会長のシリル・ヴィニュロンさん、ユニセフ親善大使の黒柳徹子さんからのビデオメッセージが届けられた。

黒柳さんは、人は「みんなそれぞれ。

みんなが共に生きることで、共に輝く未来の社会を作ることができると信じています」と話した。

パネルディスカッションの様子。右より、ウスビ・サコさん、キャシー松井さん、スプツニ子!さん、宮田裕章さん、宮地純さん、SHELLYさん。 © Cartier

後半では、当プロジェクトに伴走する「WAアドバイザー」らによるパネルディスカッションが行われた。

パネリストとして登壇したのは、カルティエ ジャパン プレジデント&CEOの宮地純さんをはじめ、ウーマンズ パビリオンのWAアドバイザーを務めるウスビ・サコさん(京都精華大学元学長・東京都公立大学法人理事[国際担当])、マルチメディアアーティストのスプツニ子!さん、慶應義塾大学教授の宮田裕章さん、MPower Partners ゼネラル・パートナーのキャシー松井さん。タレントのSHELLYさんのモデレーションのもと、ウーマンズパビリオン「WAスペース」で扱われるテーマを披露。シングルマザーの貧困の問題から、女性への教育の重要性、新しい都市の形、アートが社会に対して与える影響など、女性のエンパワメントと社会改革のためのアイディアが話し合われた。

WAスペースでは、「大いなる地球」「ビジネスとテクノロジー」「教育と政策」「芸術と文化」、「フィランソロピー」「役割とアイデンティティー」という6つのテーマに沿ってディスカッションが行われる。いずれのテーマも社会に与えるインパクトは大きい。この場での体験によるインスピレーションは多くの人の行動を変えるだろう。

CWIアワードの開催も決定

さらに、ウーマンズ パビリオンでは「カルティエ ウーマンズ イニシアチブ 2025(CWI)」の授賞式を5月22日に実施する。CWIとは、2006年にカルティエが立ち上げた女性起業家支援プログラム。

アワードは持続可能な社会の実現に貢献する女性たちを称えるものであり、「地球環境の保全」「生活の向上」「機会の創出」の3つのカテゴリーで受賞者を選出する。また、CWIは女性起業家向けの教育プログラムを提供するとともに、現在および過去のフェロー、メンター、審査員、コーチ、投資家など700名を超えるメンバーが参加するグローバルなコミュニティを形成している。

中国で行われた「カルティエ ウーマンズイニシアチブ(CWI)」の2024年度アワードセレモニーの様子。 ©Mao Chung

2024年の授賞式は中国・深圳で開催し、有識者たちによる女性の社会進出や、誰もが自分らしく活躍できるインクルーシブな社会の実現についての議論も行った。大阪万博でのCWIアワードセレモニーでは、過去のフェローたちがそれぞれの分野で世界に与えたインパクトにフォーカスし、その成果を紹介する予定だ

ウーマン・エンパワーメントをメゾンのミッションに掲げ、長年にわたり女性の社会進出を支援し、すべての女性が自分らしく活躍できる世界をめざしてきたカルティエならではのウーマンズ パビリオンに注目したい。

大阪・関西万博 ウーマンズ パビリオン

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