九十九里浜の最南端の景勝地、いすみ市の太東岬で4日、声の大きさを競う「絶叫大会」が開かれ、千葉県内外から集まった約40人が「ありがとう」「いすみ、サイコー(最高)」などと声を張り上げた。日頃の感謝や決意などのほか、日常の鬱憤(うっぷん)を晴らすかのような言葉も飛び出し、会場は大きな笑いや拍手が巻き起こった。

 今年で17回目を迎えた地域イベント「太東埼燈台まつり」の一環で、よちよち歩きの幼児から高齢者までが参加した名物企画。いすみ米や地元産の野菜、卵などを詰め込んだ九つの賞品を目指し、「勉強頑張るぞ」「俺、イケてるだろー」「子どもは宝」「片付けろー」などと大自然に向かって思いの丈をぶつけた。
 最高年齢は市内に住む91歳の峯岸和弘さん。大好きなプロ野球チーム名を挙げ、「ナイター、楽しみ」と、気持ちよさそうに声を出してシルバー賞(いすみ鉄道賞)を獲得した。待っている間も会場内も歩き回り足腰の強さをアピール。「いつも何かしらの賞に選ばれている」と話した。
 市長賞に当たる「絶叫大賞」には市立太東小1年の秋山仁志さん(6)が輝いた。「こんにちは」と声を張り上げ、ジェット機の離陸時の音量レベルに相当するという約130デシベルを計測した。市内のジュニアコーラスに所属しているという秋山さんは「初めて参加したが、自分が選ばれるとは思わなかった」と少し緊張気味に振り返った。
 イベントを主催した「NPO太東埼燈台クラブ」の理事長、伊東富士夫さん(78)は眼下に広がる雄大な太平洋を見ながら「絶景が望めるこの岬で、大きな声を出してもらい、少しでもいすみ市を思ってもらえたら」と話した。
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