フグ処理師の資質向上や食文化、正しい技能の伝承を目指す「千葉県ふぐ連盟」は、南房総市の高家(たかべ)神社で「ふぐ供養感謝祭」を執り行った。同連盟役員や地方議員のほか、東京、京都、福島など全国から関係者ら約40人が集い、人間の食材として命を落としたフグを供養した。

 同神社は日本で唯一、料理の祖神を祭っている。感謝祭に先立ち、同連盟の高橋芳隆会長(63)が「フグ属は私たちの体を構成するもの。改めて感謝し、供養する」とあいさつ。神事に続き、一同は順番に玉串をささげて弔った。
 同連盟によると、同祭は2023年からフグ漁のシーズンを終えた初夏に実施。近年、東京湾では君津市から館山市の沖合に国内最大級のトラフグ産卵場が形成され、フグの本場の山口県下関市からも注目を集めているという。
 高橋会長は取材に「館山は観光の街で民宿も多い。行政や団体と連携し、フグ食の街としても盛り上げていきたい」と話した。
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