同署によると、アポ電話は4日以降に確認された。同署警察官だと称する人物が片言の日本語で「あなたのカードが飛行機内で拾得された」「6月3日、新千歳空港から成田空港の飛行機に乗ったか」などと切り出すケースが多かった。カードに「重要事件の容疑者の指紋・DNAが付着している」「参考人として話を聞きたい」とし、LINE(ライン)のIDや運転免許証の写真を送るよう要求するという。
同署には千葉や東京、大阪、福岡など13都道府県から140件以上の相談が寄せられ、実際に同署に足を運んで、詐欺だと気付いた人もいた。
9日夕方時点で同署への相談者はいずれも金銭をだまし取られる被害には遭っていないが、同署刑事生活安全課の担当者は「偶然、成田発着便に乗っていた人だったら信じた恐れもある」と強調。アポ電後の手口として「カードが犯罪に使用されているので、預金を避難のため指定の口座に送金してほしい」「犯罪者の口座でないと証明する手続きの手数料がかかる」などとうそを重ね、送金させる事態が考えられるという。
こうしたアポ電・詐欺電話を受けた際の対処方法について、同署は「相手から指定された電話番号でなく、自分で調べた警察署の番号に電話をかけて相談してほしい」と呼びかける。千葉県警は、ユーチューブ公式チャンネルでアポ電の手口を紹介する動画を公開していて「被害防止の参考にしてほしい」としている。