千葉県内で在留外国人が増加する中、さまざまな文化的背景を持つ住民たちに良好な関係を築いてもらおうと、UR都市機構などは21日、千葉市美浜区の千葉幸町団地で「多文化ふれあいフェスタ」を初開催した。同機構だけでなく千葉市や県警千葉西署といった地元団体が参加。
世界各地の音楽の演奏やダンスが披露されたほか、有事に住民同士で協力し合えるようにと災害救助体験、交通安全教室など防犯・防災について学ぶ機会も設けられた。同機構の担当者は「互いのことを知ることで、誰もが楽しく生活できる土地を作りたい」と力を込めた。
(平嶋奏葉)
 会場となったのは同団地の公民館や、廃園になった保育所の土地を整備し3月にオープンした「ふくふく広場」。ネパールのお菓子販売のブース、ベトナムコーヒーや同国のデザート「チェー」を販売するキッチンカーなどが並ぶ中、多くの外国人や日本人が来訪し、世界各地の料理に舌鼓を打った。
 会場では、外国人が日本での困りごとを相談できる窓口を案内するブースも用意。多文化に関するセミナーも開かれた。ステージでは千葉モードビジネス専門学校によるベトナムの歌謡曲、ネパール舞踊が披露され、県警音楽隊の演奏も華を添えた。
 同校の学生で、ネパール舞踊を披露した同国出身のアユサさん(21)は「ネパールの文化を知ってもらおうと今日のために頑張って練習した。いろいろな国の人が一緒に拍手で盛り上がってくれてうれしかった」と喜んだ。
 同団地に住む大山貴子さん(64)は「最近は(団地内で)外国の方を見かけることが多く、犬の散歩をしている方と話すこともある。ステージを見て、日本で頑張っているんだなとあらためて思った」と話した。
 UR都市機構は昨年12月、習志野海浜秋津団地(習志野市)で同様のイベントを開催。
好評だったことから今回のイベントを実施した。同機構千葉エリア経営部の駒形直也企画課長は「マナーやルールを一方的に伝えるだけでなく、楽しく学ぶことで外国の方に日本を好きになってもらいたい。誰もが楽しく生活できるよう、今後もイベントを開催していきたい」と意気込んだ。
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