「19年目と言われるけど、一瞬というかあっという間。もちろんうれしいですけど、特別な感慨とかはない。今はやれるところまで死ぬ気でやってやろうと思っているだけ」と38歳の大ベテランは胸を張った。
2006年の大学生・社会人ドラフトで7位指名を受け、独立リーグの高知ファイティングドッグスから入団をした。角中は間違いなく独立リーグがなければ野球を続けていなかった。プロに至る道は開けていなかった。だからマリーンズに入団すると独立リーグの評価をなんとか上げたいという一心でプレーをした。今では当たり前のようにNPBで独立リーグ出身者が活躍しているが、当時はまだ懐疑的な時代だった。その志の下、ここまで首位打者に2度、輝いた。13年には侍ジャパンに選ばれ、オールスターに選ばれること3度。そして時が流れた今も、その使命感は変わることはない。
「たった1年ではありましたけど、高知の1年がなければ、マリーンズに入ることはできなかった。お世話になった。すごく感謝をしている。このリーグがなければ、今の自分はないわけですから。
若い選手が躍動しているマリーンズで背番号「3」の存在は頼もしい限りだ。自身のメモリアル試合となった甲子園でのゲームで見せた気持ちの同点打からはバットマンとしての強烈な生き様が垣間見ることができた。強い使命感と気概を持ったその大きな背中を後輩選手たちは尊敬の目で見守っていた。きっと彼らの心に響くものがあったはずだ。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)