プロ野球北海道日本ハムファイターズが検討していた鎌ケ谷市の2軍本拠地の移転を巡り、1軍と同じ北海道への移転方針を固めたとする一部報道があり、球団は26日、「コメントできることはない」と事実関係への言及を避けた。同市は公式発表がないとして球団の動向を見守る姿勢。
ただ、道内の一部自治体ではすでに誘致への動きが過熱気味で、球団では公募案を検討しているなどの情報もあり、移転の可能性は高いとみられる。
 1997年の開業以来、地元を含む首都圏のファンに親しまれてきた「鎌ケ谷スタジアム」(鎌スタ)。運営に当たる球団幹部は「コメントできることはない」と説明。同市は「以前からファイターズとの連携を強化してきたこともあり、鎌スタの存続を求めてきたが、球団としての公式見解が示されない中で、コメントは控える」とした。
 1軍は2004年に東京ドームから北海道に本拠地を移し、23年には札幌近郊の北広島市に自前の球場「エスコンフィールド北海道」を含むファイターズタウンをオープン。連日多くの観客でにぎわっている。一方で2軍は鎌ケ谷にとどまっていた。
 1軍と2軍の本拠地間の移動に飛行機が必要となるのはプロ野球12球団でも日ハムだけ。シーズン中の1、2軍の選手の入れ替えも迅速に行えず、若手選手が2軍の試合後、ナイターの1軍の試合に出るという他球団では当たり前の運用も困難になっていた。
 移転話が昨年7月に表面化して以来、球団は「施設が老朽化している現状を鑑みれば、さまざまな検討を行うのは当然。現時点では何も決まっていない」とのコメントで一貫してきた。だが関係者によると、昨年末に開かれた地元の宴席で、「5年先には鎌ケ谷から移転している」と球団関係者が漏らしたという話が広まったことがあった。

 日ハムの支援活動を長年行ってきた市民団体「ファイターズ鎌ケ谷の会」(3月末に解散)元会長の中村俊也さん(66)は「現場の事情もあり、いずれは移転だろうと覚悟はしていた。寂しい限りだが、引き続きファイターズを応援していきたい」と話している。
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