激戦が続く参院選千葉選挙区で、与野党党首が次々と来県し、懸命に支持拡大を図っている。9日には、石破茂首相(自民党総裁)が自民候補2人の応援で公示後初めて千葉で演説し、立憲民主党の野田佳彦代表は再び地元入りして政権批判を強めた。
昨秋の衆院選で与党が過半数割れし、事実上の政権選択選挙とも位置づけられる「夏の陣」。同選挙区の改選3議席を自民2、立民1と長く分け合ってきた両党と、「指定席」の切り崩しを目指す他党が入り乱れての舌戦は中盤に入り、20日の投開票に向けてヒートアップしている。
 帰宅ラッシュ時に船橋駅前で演説した石破首相は、緊迫する国際情勢を踏まえ「野党は安全保障で言うことがバラバラ。自衛隊を違憲という人もいる」とけん制。「次代に責任を持つのが自民」と公明党との連立政権継続の必要性を訴えた。
 千葉市での集会にも駆け付け、物価高対策で給付を進める意義を「本当に困っている人に確実に行き渡らせる」と強調。消費税減税は時間を要し、各種サービスの財源にも充てられているとして「それを減らすのは無責任」と力を込めた。
 同じ時間帯に野田代表は新浦安駅前で、自民の鶴保庸介参院議員が「運のいいことに能登で地震があった」と発言したことを批判し「自公にペナルティーを与え、政権を取ろう」と声を張り上げた。トランプ関税への対応で「石破首相は腰が重すぎる」と指導力の欠如も指摘し「外交も任せてほしい」と呼びかけた。
 8日には、2度目の千葉入りをした国民民主党の玉木雄一郎代表が船橋駅前で「困難な課題に向き合い、誇りある日本を次世代に引き継ぐ」と声をからした。
 れいわ新選組の山本太郎代表は6日に船橋駅前で演説。日本維新の会の吉村洋文代表は10日に松戸駅、参政党の神谷宗幣代表は13日に柏駅、共産党の田村智子委員長は14日に千葉駅とそれぞれ主要駅前で声を上げ、支持を広げる考えだ。

(池田和弘、粕谷健翔)
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