▽準決勝(ZOZOマリン)
八千代松陰
000011000―2
000000001―1
習志野
 最後の最後まで粘りを見せたが、一歩及ばなかった。習志野は2年ぶりの決勝進出はならず、2失点で好投を続けた中原瑛心は「点数を取れていなかったので、踏ん張るしかないと思って投げていた。
自分の持ち味は出せた」とやりきった表情を見せた。
 中原は右下手から高さとコースを意識し、直球とカーブを駆使して緩急をつけながら八千代松陰打線と対峙(たいじ)。五、六回に連打からそれぞれ1点を失ったが、大量失点は許さず、110球で9回を投げ切った。勝敗は紙一重の差だった。それでも「相手が一枚上手だった」と素直に負けを認めた。
 打線は一回から何度か好機をつくったものの八回までホームが遠かった。九回に2年の井上重児郎の適時三塁打で1点を返し、なおも1死一、三塁としたが、追加点を奪えず、右邪飛で最後の打者となった主将の岡田諒介は「チームを勝利に導けなかった」と唇をかんだ。
 春の関東大会で完投するなど大車輪の活躍だったエース向井脩人は、けがで今大会は1試合も登板できず、中原が3完投でチームを引っ張った。この日も重圧がかかる中での登板。「チーム全員から『お前ならいける』と声をかけられ、自信になった」。力をくれた仲間に感謝した。
 簡単には終わらない伝統校の底力を見せた習志野。
小林徹監督は「この展開を経験できて3年生は今後の糧になる試合だった。関東大会などで経験を積んで、まじめな選手たちがたくましく成長した」。ねぎらいの言葉を贈った。
(堅田功嗣)
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