(中田大貴)
運営する「丸井グループ」(東京)によると、柏マルイは1964年の開業で、73年に現在のビルに移転した。「VAT館」時代には渋谷で人気のテナントが入るなど、若年層をメインターゲットとした店づくりを展開してきた。
入居する商業ビルとの契約満了により、閉店することになった。同グループが運営する近隣の「柏モディ」に経営資源を集約させ「1館体制にすることで効率化を図る」(同社広報室)考えだという。
ほぼ毎日、散歩のついでに来店し、買い物を楽しんできたという柏市内の女性(86)は「なくなると聞き『寂しさ』が最初に来た。不便になるね」と残念がる。入居する店で働く同市内の男性(39)は「東の渋谷」時代を懐かしむ一方、「最近は売り上げも下がっていた」と肩を落とす。
広報担当者は「『非常に驚いた』や『残念』といった声を頂いたと同時に、VAT館だった時代を懐かしまれているお客さまが多いと感じている」と利用者に感謝する。「柏モディでの営業は継続する。これからも地域の皆さまから愛されるお店を目指し精進していくので、今後ともご愛顧をお願いしたい」とした。
◆ファミリは営業継続
柏マルイが入居するビルには、駅ビル商店街「ファミリかしわ」も入る。運営する柏駅前第一商業協同組合によると、今後も営業を継続する。ビル関係者によると、マルイ柏が閉店して空くスペースには、別の商業施設を入居させる方向だという。
同駅東口では2016年に、そごう柏店が閉店。柏市が昨年、26年度まで3年かけて同店跡地を購入する方針を示し、現在は建物の解体作業が行われている。市は23年に「柏駅東口未来ビジョン」を公表するなど、周辺のビルを次々と建て替える形での再開発を構想している。