「シンプルに1日1安打と1四球。それを一つの目標に試合に挑んでいます」と安田は話す。
ホームランが欲しい。もっともっと安打を重ねたい。貪欲さは時に気負いとなる。力みを生み、打撃が崩れる。ここまで度々、そのような状況があった。勝負の一年として強い決意で挑んだ2025年も想いが空回りして結果が伴わず、開幕2カード目の4月2日に1軍登録抹消。再昇格は5月15日と1カ月以上の月日を要した。その中で行き着いたのがこの至ってシンプルな発想だ。ヒントをくれたのはサブローヘッドコーチだった。
「1試合で1安打、1四球でいいから。例えばだけど、3打数1安打を繰り返したら打率は333。1試合1安打で100試合に出場したら100安打。同じように1試合1四球の考えなら100四球。すごい出塁率になる。すごくチームに貢献できる」とサブローヘッドは説いた。
これは同コーチが現役時代にいろいろな人から積極的に話を聞き、学んできた中で得た試合への向き合い方の一つでもある。大事にしていた心構えを悩める背番号「5」にプレゼントした。
「ホームランなんてそんなに出るものではない。難しい事。でもコツコツと積み重ねていたらいつか自然と出るようになる。アイツは四球を選べるタイプだし、1本1安打と1四球をまずは考えてほしい」とサブローヘッド。
「まだまだです。前半戦はチームに貢献できなかったので、後半戦はしっかりとチームに貢献できるように。まずはやれることを一つずつやって、それが結果的に大きなものにつながっていけばいいと思う」と安田は間もなく始まる後半戦に向けて意気込みを語る。ちょっとした発想の転換や気持ちの持ち様で人生が変わることがある。今、安田はシンプルな目標をターゲットにすることで少しずつ前に進んでいる。間もなく後半戦が始まる。マリーンズ、反転攻勢へ。背番号「5」は間違いなくキーマンの一人だ。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)