千葉県農林総合研究センターは、稲のもみから養分を吸って黒く変色させ、米の品質を著しく低下させる「斑点米カメムシ類」が大量発生しているとして、9日に注意報を出した。県内のほぼ全域で例年よりも多く確認されており、農家には適切な薬剤散布などの対策を求めている。
注意報の発令は3年連続。
 同センターは、6月下旬から7月上旬に県内の水田70カ所で調査を実施。大型の斑点米カメムシ類は1カ所当たりの平均捕獲数が平年の約5・4倍の13・46匹(前年比5・25匹増)と過去10年で最多だった。17日時点で千葉県のほか18県が同様の注意報を出している。
 大型の斑点米カメムシ類は体長15ミリほどで、大量に発生すると水田に悪臭が漂う。穂が出て間もないもみにとりつき汁を吸い、被害を受けた米には斑点ができる。一部が変色するなどして米の等級低下が懸念される。
 同センターの担当者は「暖冬で個体数が増加している。今後の予想気温も高く、カメムシの活動が活発になる」と分析し、早期の防除を呼びかけた。
(粕谷健翔)
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