市川市動植物園で、サルがゆったり遊べる広場と、サル舎と広場の間をサルが移動する様子を客が見て楽しめる「空中通路」の整備にあたり、同市が進めていたふるさと納税制度を活用したクラウドファンディング(CF)が、目標額の1千万円を達成した。同園では「出足も遅く当初は難しいと思われただけに、うれしい」と喜んでいる。

 CFは財源確保と動植物園の魅力アピールのため企画され、5月2日にスタート。市によると、期限前日の7月30日に1千万円を達成した。寄付の件数は約630件で、約7割が市内。市外が約3割で、県外からもあった。高額寄付は30万円以上が2件寄せられた。
 新施設は、エリマキキツネザル、ボリビアリスザル、マンドリルが暮らす「モンキーゾーン」に、サルたちが遊べる放飼場を開設。放飼場とサル舎の間を結ぶルートとして地上からの高さ約3メートル、長さ約6~8メートルの空中通路を設置し、サルが通路を行き来する様子を客が下から見て新鮮な感覚で楽しめるようにする。
 市のCF実施は初めてで、寄付への「お返し」となる特典が園のオリジナルグッズや文房具など高額品でないため当初は目標達成を危ぶむ声も。同園ではSNSでアピールする一方、自治会や学校にチラシを配り、盛況だったホタル鑑賞会で積極的に呼びかけるなど地道な活動に取り組んだ。「支援してくれた人たちに感謝したい」と担当者。
 事業費2500万円は本年度当初予算に計上ずみで、約1千万円が今回のCFによる寄付で賄われる。施設は8月に工事を開始、早ければ年明けに完成予定だ。

 (小北清人)
編集部おすすめ