千葉県農林総合研究センターは、トマトや長ネギなどの野菜に被害をもたらすガの一種「オオタバコガ」と「シロイチモジヨトウ」が大量発生しているとして、注意報を出した。発令は2年連続で、野菜を育てる生産者には幼虫の除去や適切な薬剤散布などの対策を求めている。

 同センターは7月に県内の畑でトラップを用いた捕獲調査を実施。オオタバコガは1日あたりの平均捕獲数が平年の約2・2倍の3・67匹、シロイチモジヨトウは約3・8倍の3・19匹と直近9年で最多だった。12日時点で、オオタバコガは9道府県が、シロイチモジヨトウは5県(ともに千葉県除く)が注意報を出している。
 オオタバコガの幼虫は体長35~40ミリまで成長し、トマトやナスの実にとりつき内部を食い荒らす。被害を受けた実には空洞ができ、商品として出荷できない状態になる。シロイチモジヨトウの幼虫は長ネギの内側に入り込んで葉を食べ、生育を阻害する。ともに繁殖能力が高く農薬への耐性も強いため、温暖化が進む中、全国各地で被害が懸念されている。
 同センターの担当者は「暖冬で越冬した個体が多かったのではないか」と分析。「成虫や幼虫を発見したら早めに薬剤を散布してほしい」と呼びかけている。
(粕谷健翔)
編集部おすすめ