繁殖力、拡散力が極めて高く「地球上で最悪の侵略的植物」と呼ばれる特定外来生物の水草「ナガエツルノゲイトウ」。その一大繁殖地となる印旛沼周辺の佐倉市で19日、学生団体らによる恒例の駆除作戦が始動した。
10を超える大学から集まった県内外の50人以上が県や佐倉市などの自治体や印旛沼の関連団体、地元企業と協力し、水草が一面を覆うほどに群生した深さ約1メートルの排水路に腰までつかり作業に汗を流した。
 この水草は南米原産で、ストロー状の茎は軽く水に流されて拡散し、断片からでも容易に繁殖する。流れ着いた先のポンプ場などで目詰まりして排水機能に支障をきたす恐れがあり、農業被害も懸念されている。
 県内では1990年に印旛沼で初めて発見され、手賀沼など県北部で急拡大。2020年の県の調査では印旛沼周辺で約7・8万平方メートルの生息が確認された。
 今回の活動はNPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)が主催し、16年から繁殖期終盤に合わせて実施(新型コロナ禍期間は中断)。この日は水草が繁茂する長さ1キロ超の排水路など2カ所に分かれ、てのこで切り離して茎を切ったり、水中から陸地のブルーシートに引き上げたりと「重作業」に奮闘した。
 期間は21日までの3日間で学生ら約250人が参加予定。約12トンを除去した昨年にも活躍した日本大2年、山浦壮平さん(20)=八千代市=は印旛沼周辺への関心向上や環境改善を願い「ボランティアの活動が広報効果となれば」と期待した。
(池田和弘)
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