(町香菜美)
連日30度超えが当たり前となり、猛暑日も珍しくなくなった8月。午前中に市川市内にある公園に向かうと、子どもたちが遊ぶ姿はまったくなかった。記者が滑り台に触れると高温で、肌が焼けるような感覚。日陰に入っても熱風は避けられず、少し歩いただけで汗が流れ、頭がくらくらしてきた。
6月に地球温暖化に関する啓発活動を行う「医師たちの気候変動啓発プロジェクト」が行った全国調査(3~9歳の子どもを持つ親800人対象)によると、昨年の記録的猛暑下でも「外遊びを望む」と答えた親は7割を超えた。一方、実際はテレビや動画の視聴が5割と最も多く、理想とのギャップが際立った。理由は「暑すぎたから」が多く、水分補給や帽子の着用など、個人の暑さ対策だけでは限界を感じる親も少なくなかった。
「これだけ暑いと公園も行けないから、子どもが運動不足になるしストレスもたまる」「室内遊び場を利用すると出費が増える夏に…」。物価高が続く中、SNS上でも、幼児や小学生を持つ保護者の苦悩がにじむ。
◆親子に安心して遊べる場を
こうした中、屋内型アミューズメント施設は取り組みを強化している。
モーリーファンタジー幕張新都心店(千葉市美浜区)併設の「わいわいぱーく」を長女(4)と訪れた会社員男性(36)=習志野市=は「プールでさえ暑い。ここは近いし、料金が高すぎると普段使いできないのでキャンペーンはありがたい」と笑顔を見せた。
長男(2)を連れた同市の主婦(34)は普段は子育て施設などにも連れて行くというが「公園ならお金もかからないが、遊具が熱くてとても遊べない」とため息。車のおもちゃで遊ぶ長男を見ながら「安く利用できて助かる。また来たい」と話した。
夏休み中の長女(6)と、長男(2)を連れた主婦(38)=同市=は「外で遊べないので、夕飯後に、自宅近くで長女の自転車の練習をしている」と語る。
熱中症リスクと物価高のはざまで、親たちはコストをかけずに、安全に遊ばせるための模索を続けている。8月下旬も厳しい残暑が続きそうで、昨年から続く“夏の外遊び縮小”の中、屋内型のアミューズメント施設の利用はさらに広がりそうだ。