大網白里市は29日、交付制限の申し出があったDV被害女性の住所を加害者(夫)に誤交付したと発表した。女性はDV防止法に基づく支援措置を申請し、住所を他の人に開示しないよう求めていた。

 市によると、管理システム上で交付制限をかける手続きを行っていなかったのが原因。2023年1月に加害者から交付申請があり、女性の現住所が記載された戸籍付票の写しを郵送した。
 今年8月に女性の離婚裁判を担当する弁護士から「DVの加害者が戸籍付票を取得している経緯を確認したい」と問い合わせがあり発覚。現時点では刑事事件につながるような被害は確認されていないという。
 市は女性に経緯を説明して謝罪。引っ越し費用などの損害賠償についても協議を進めている。
 市は再発防止に向け、関係職員に被害者保護の重要性を再周知した。今後は記録簿を作成して複数の職員で交付制限の状況を確認し、月に1度点検を行うとしている。金坂昌典市長は「深くおわびするとともに、再発防止策を徹底していく」とした。
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